君が満ちて欠ける物だから
夜中に兎がくつろいでいる、
疚しさは無いのに物音一つにも怯えて、
生活の悔しさに心が乱されて、
今日も餅なんてついてはいられないと、
寝転がりこの星を眺めながら、
人参を食んでいる、
だから月明りは暗がりに割けて滲み、
欠けたりするらしいと、
酔っぱらいの誰かの喚いている、
夜のしじまの中でそんな毎日に、
聞き耳をたてられていると思えば、
発狂しそうになると、
兎が言っているらしい事を、
宇宙の風は運んで来たりもする。
つ、か、れ、た、ん、だ、よ、
御伽噺は何も産み出さず、
もはや兎もうんざりしている、
そんな束縛の日が恐れに変わる事も、
純粋な愛から生まれる物で、
誰に迷惑を掛けている訳でもないのに、
しじまに溶けている明るさを、
兎の姿の何が悪いのだろと、
な、ま、け、て、い、る、ん、じ、ゃ、な、い、
君にも知って欲しいよ、
誰もそんな兎を不満に思ったりしないのを、
皆、唯、生きている事を私は、
御伽噺の月も満ちて、
欠けるだろうと思って、
涙を零れ落として。
あの月を君が見上げれば
兎の季節の物語はいつまでも揺れている、
どんなお馬鹿で悲痛な話しさへも、
諧謔が出来てしまうお年頃の私には、
芽吹きの若さ程の春は、
何の値打ちもなかったのだと、唯々、
兎は、気苦労だらけの虚しさの生活の中から、
少なからずも心を休められる時を、
人間が空腹の朝にバターの染み込んでいる、
トーストを食む様な、慈しみの情を持って、
少なからず、人参を噛みしめている、
そんな生活なんて代物は、このご時世に、
足掻いてみたところで、
どうにもなりはしないよバカヤロウと、
そんな風に毎日を、
器用に笑っていた兎の話しを思えば、
私は昔から何も変わっていない気がして、
嗚呼、人生とは何ぞやと考えてしまう、
私の日々の姿を兎は、唯、
微笑んで見ている、
月に恋、音に恋、
それだけの話しをいつまでも。
作品データ
コメント数 : 2
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作成日時 2021-10-11
コメント日時 2021-10-12
#現代詩
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2024/11/21 22時43分49秒現在
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絵本を読んでいる姿がどこか寂しげで、でも原因はしっかり捉えている。
0あ、どうも。鍵垢フォロー申請したけれど、シカトされた者です。笑 コメントありがとう。手癖でバレバレですかね。つまらない詩ですよね。すいません。
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