霧の音 - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

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花骸

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霧の音    

ごく稀に 人は霧の音を聞く それは意味を持たないかもしれない 意味を欲していないようにも思える でも届く 気づけば霧に囲まれ 霧に腕を濡らされ 霧を吸い込み 霧を嗅いでいる そして後から人は生む あくまでも後から 霧の音の意味を生むのだ 遠くのものなどない 足もとの地のくぼみ 顔をおおう白い空 閉ざされていることの恵み 閉ざされているなどと考えないことの安らぎ 前にも後ろへも歩まないことの必要 やがて霧の音が消える 人は考えすぎるから 音もなく霧が立ちこめる 音がなくても霧は立ちこめる 静かに霧は立ちこめる 意味もなく霧は立ちこめる



霧の音 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 7
P V 数 : 1484.7
お気に入り数: 1
投票数   : 0
ポイント数 : 1

作成日時 2021-10-08
コメント日時 2021-11-08
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性10
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント10
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性11
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合11
閲覧指数:1484.7
2025/04/10 09時13分30秒現在
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    作品に書かれた推薦文

霧の音 コメントセクション

コメント数(7)
yatuka
yatuka
作品へ
(2021-10-08)

霧の音は聞いたことがありません。 幻想的な表現を、実体験に置き換える。 その過程で意味が揺らぐ感覚、 混乱するから避けてますが、これは好きでした。 凍てついた朝の森を思い出します。 五里霧中でしたっけ。都会も石くれの森なのかな。

1
yasu.na
yatukaさんへ
(2021-10-08)

 お読み下さりありがとうございます。  これまで私は言葉の多い、散文のようなものをよく書いてきましたが、今回は言葉少なく書きました。自分で思うに、なんか中学生が書いたような詩だなぁ。とは思うものの、この作にこめた考えというものもあるのです。ヒント、音=声=言葉=意味、霧=人々。です。

0
田中宏輔
田中宏輔
作品へ
(2021-10-08)

レイ・ブラッドベリを思い出しました。「霧の声」って作品があったかな。

1
yasu.na
田中宏輔さんへ
(2021-10-09)

 コメントありがとうございます。  レイ・ブラッドベリを調べてみました。たぶん、短篇の『THE FOG HORN』でしょうか。  興味が湧いてきました。ありがとうございます。

0
田中宏輔
田中宏輔
作品へ
(2021-10-10)

「霧笛」という邦題で、創元推理文庫の『ウは宇宙船のウ』に入っています。 ご推測の通り、Fog Horn が原題です。

1
Thukiniko
Thukiniko
作品へ
(2021-11-08)

4、5連に詩の意図があるように読みました。 霧が晴れて。。。みたいな感傷ではない霧のモチーフの扱いにも共鳴します。

1
yasu.na
Thukiniko さんへ
(2021-11-08)

 コメントありがとうございます。  特に、4連に力をこめました。理知の力です。実際に霧が出ていた時にひらめいて書いた詩でした。 >遠くのものなどない >足もとの地のくぼみ >顔をおおう白い空 >閉ざされていることの恵み >閉ざされているなどと考えないことの安らぎ >前にも後ろへも歩まないことの必要  ここを読み取ってくださったことをうれしく思います。

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投稿作品数: 2