自家用車の後ろから鬱になる
わたしの排気の循環だよ。
夜空は塊のすべてを吐瀉に変えています
夜空は周回するピエロに飴を与えています
それがどうしたんだ夜よ革靴よ
萎んだケーキを食べる、
そんなような手つきで犬が爆発すると
前駆するタイヤが私をすり潰して
何も言えないまま結語している。
(犬は気ままな乱反射であった……
(億劫な肌を引き摺っていった……
細やかな鮫が多すぎる
大きさを分解する淡い心臓を
望もうとして錆び付いていよう
駆け足の死体を、
どうか分解して(管になって、
私の内側を通っていって下さい。
母体が樹を生やしていること
胡乱だ、私は既に
通過してきたらしいが(それは
それで、赤ん坊のままの
スプーンのように疑ってみたいと)
思う細胞の基質を
すでに正午は巡っていった。
誰も恐竜を信じない、
肉の恐竜を信じない、
対辺の恐竜はどうだ!
などという死語。(それらすべて
きっと、通過してきたんだな──
あなたギンヤンマ疑えますか)
跳ねること千切れること
を抱く守り神のような
塗装されたビルの内側に立って
いるのかいないのか(これは、
ビルだろうか、意味で
どこまでも溶けてしまった
学校だろうか)
という狭間
わたしのこもごもは揺れている
これ、終われないかも(孤独のよ
うに、不死の幾何があるか
もしれない。しかし、きっ
と、それらすべて夜、
不揃いな糖度で終わるのだな──)
夜空に覆われて白くなるよう
急かされて現在が泡立っていくよう
わたしの切開に入ってくる、
この犬のプリズムはどうだ。
何も(むしろ額縁のよう
にない、声帯のぶるぶる震え
ているうえ、を通り過ぎ
て鏡像が靡く。いや
うえを通り、何もない、何も)
むしろ額縁のように血の排気を潜り
ない前輪の先端でわたしは
塗れた肺を転がしていると。
夜空はいま周回軌道に乗る馬をど
こへ殺害したのだろう(不
明な位置からだ、と言ったの
はしかし馬自身の半身
がタイヤの回転数と一致して、
そういう奇跡が私を潰していくの
ではないか)と
尋ねている犬の散逸だった。
自家用車に乗り込んで鬱を読む
わたしはすでに、結語し
ていたらしい(が、
鬱で支払われた星々のある
夜空の周回軌道に乗った臓器から順に
新しく潰れていく。)
わたし、垂直に分解されながら
すでに
新しく、
(結語している)。
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 722.1
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作成日時 2021-10-08
コメント日時 2021-10-08
#現代詩
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2024/11/21 23時34分33秒現在
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