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鳥の王
直江津から佐渡は視認可能である。 義父に犯され妊娠、妊娠を恐れ煩悶するうち 鶏姦という単語について熟考し 深夜の養鶏場(当時の横浜の周縁部には存在した)に忍び込み 全力で羽ばたく彼女(養鶏場にいるのだから雌鳥なのだろう)の蠕動に射精した。 飛行機能を持たないブロイラーでさえこれならば、 誇り高き野生の鳥たちから得られる悦楽とは。 相模川の支流、川と言うよりドブに近い、に傷ついた羽のゴイサギが、 義父はスーパーで50%引きになった腐りかけの小魚を投げることを習慣に。 仁王立ちの陰茎から逃れようと飛べないゴイサギが羽ばたき私は射精し、射精し、最後に縊り殺して最後の締まりに射精し (義父はいつの間にか失踪し、もはや顔も定かではなくこれらの射精の記憶のみを。) しかし佐渡を隔てる海峡は荒く小舟を翻弄し見えている佐渡にたどり着くまでの時間は果てしない。 そして私の人生は様々な鳥を。 三百羽の白鳥の豊かな肉に霧のハンブルグ、 高い脚のフラミンゴを背後から(いまだ鳥とは後背位以外に交わったことがないが)遠くキリマンジャロ、 そして今日、最後の一羽の国鳥へと向かう。 私の精が彼女を孕ませ、生まれるのは鳥の王 孤独を極めた(人類の最後の一人となることを想像したことがあるか?)彼女から生まれる私たちの子供こそが この静かにどうしようもなく枯れていく国を、鳥の国として甦らせるのだ。 ああ、考えただけでも。 この種になるために私は生まれてきたのだろう
鳥の王 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 928.9
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 3
作成日時 2021-10-03
コメント日時 2021-10-27
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 3 | 3 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 3 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
おもろ。まだ2回しか読んでないからこんな感想です。おもろ。
0一行目の「直江津から佐渡は視認可能である。」って完璧な気がしますね。 よくわからないけど完璧な気がします。
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