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次の日の嘘つき
ただ、今はショットガンで ひたすらゾンビを撃っている 透明になりたくて ただ撃っている 僕が道を歩くのも、何かを食べるのも 人と抱き合ったのも 傷つけたくなかったからだ 人を、それとも自分を ほんとうなんてありはしないのに 失ったものしか、思えないのに 風でありたかった けれど死ぬことはなかった 恐れていた、それだけが 僕であるかのように 画面のなかで撃ちつづける 感染した僕はとめどなく 湧き出てくる 僕はふらふらとした足取りで 虐殺する僕に向かっていく 無理だと 思うこともなく 脳や内臓が弾けて、赤黒いぬかるみに変わった 僕は僕だった どうしようもなかった どんな小さな僕の嘘も 意味ない、なんて、言えない、よ あの人の甘えた声も 嫌いだったキモチいい時も 意味ないなんて言わないよ 画面が壊れて 僕は撃ちつづける 撃たれつづける いつか眼が澄んできて 僕の全てが嘘になる 僕の全てが本当になる
次の日の嘘つき ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 954.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-10-11
コメント日時 2017-10-21
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
詩とは何か、ポエジーとは何か・・・そんなとらえどころのないものを、自分の身体(あるいは身体圏内)から離れた、夢想世界、精神世界、詩の空間と呼びたくなるような異次元で探索している・・・そんな作品を、以前は投稿されていましたね。そこから、心の叫びをダイレクトに投げ出すような作品、寓喩と描写のバランスの取れた作品というように変化していく様子を拝見していたのですが、今回の作品は、自身の身体圏内からとらえた感覚と、ゲームをしている(サイバー空間に入り込んでいる)もうひとつの身体の感覚圏内、その双方から、詩をとらえようとしている印象がありました。 心底好き、というわけでもない(たぶん、相手からは好かれているにしても)異性とのひとときを、嘘の時を過ごしてしまった、というようなある種の後悔を抱いて思い返している、そんな「物語」を感じました。 いやでも思い返してしまう、そんな自分自身を消してしまいたい、という願い、のようなもの。自らを罰すること、自らを(ゲームの中であっても)抹消してしまいたいと願いながら、一方で「ほんとう」を求め続けている。そんな若々しい心象も感じます。 全体に、比喩が後退して、直情的な表現が増えているのですが(それゆえに、耳で聞いて素直に理解できるような、1回性のリーダビリティーが、増していると思います。ただ、この方向に進みすぎると、(花緒さんもポエム感、という言い方をしていますが)心情の吐露、という、いわば詩の素材のところでとどまってしまうのではないか?という懸念も覚えました。 何度も戻って、多層の意味を確かめていく、という、黙読でしかできない多義性の探求ではなく、頭から素直に読んでいって、そこで意味が取れるという可読性、でもあるわけですが・・・ 「意味なく」自分自身を撃ち殺す、その意味をやはり深めていってほしい、と思いました。
0読んでいて、なんだか切なくなりました。 まりもさんの仰るように「詩の素材」でとどまってしまっている気が、わたしもします。 なんだかとてももったいないような、けれどもこれはこれで眩しいような。 詩を書いていて、その時期にしか書けないことと言うのはたくさんあって、でも技術や表現が拙くて伝えられなくて、批評の俎上にも乗せてもらえないような、そんな時期を思い出しました。(個人的な話で申し訳ないのですが) なんだかとても気になる、作品でした。 触発されて、といったらなんだか恥ずかしいのですが、似たような主題で書いた、わたしの昔の作品を投稿しようと思います。読んで頂けたら幸いです。
0花緒さん コメントありがとうございます。詩のリーダビリティについて考えているのですが、なかなかいろいろな問題をはらんでいるのだな、と思わされました。今回の作は、やや単純に、「こうだからこうなのだ」という言い回しを試みてみたのですが、そうした断定的な語りの試みと、イメージ、言葉の深度が悪い意味で連動してしまったのかもしれません。 「上手い」と言っていただけたのは幸いです。
0まりもさん コメントありがとうございます。 「「意味なく」自分自身を撃ち殺す、その意味をやはり深めていってほしい」というお言葉、非常に勉強になりました。少し前から試みとして、断定的な言葉遣いで、そのままの生の感覚を書く、というものを志向していたのですが、自分のなかで、ややうまく行っていない感覚がありました。おそらく、その原因として、言葉やイメージを深め切らないことと、断定的であることが連動してしまった、ということがある、と思っています。 今回の詩は、それまでと主題的にも違う面、ある種の身体感覚と、直情性のようなものを書こうとしたのですが、僕自身の、世界をそのままで捉えたい、という願望が、詩としてのある種の幼さにつながってしまったようで、主題を深め切ることができず、という感じになってしまったようです。 僕としては、その幼さの部分にある種の成果は感じたのですが、やはり、それはオフィシャルな、批評されるものとしての成果ではなく、あくまで個人的なものだったようです。 「意味なく」のその「意味」を追うための胆力、そう言ったものが必要だと思わされました。
0もなかさん コメントありがとうございます。もなかさんの「be」へのコメントと一緒に、返信を書かせていただいたので、よろしければそちらをごらんください。
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