私は鳩の心を揺すりあやしながらお味噌汁のだしを取る
私は薔薇の心を弄び青空に甘い花びらの雨を降らす
私は雨の心を口の端に舐め未知の出会いを啜る
私は死んだ愛猫への未練を舌に転がし涙ぐんで
チョコレートを一枚バリバリと噛み、口に突っ込む
私は下腹の脂肪を愛の未練と名づけて宥める
私は秋に唇を持て余しまた口紅を買ってしまう
日に何度もあなたのことを考えて胸が詰まり
気分転換に美容室に行ったら店長が担当してくれて愛想がいい
男の頑丈な指で髪を洗ってもらうのは気持ちがいい
発光するあなたよ
あなたの髪の毛を触りたいと欲望し
私は欲望に疲れ、愛の涙を流す
これは幸福なことなはずだと私は信じる
包丁を刻む時、背後にあなたを想像する
肉じゃがに照れていることを誰にも知られたくない
お風呂上りのあなたに蜜柑を剥いてやりたい
花が枯れるなら千切って燃やすべきだろうか
恋人が物置にしまわれ同居人が残るなら
その存在は悲しい人形ではないか
愛欲が陽炎となり立ち去った時、親友が残れば拍手喝采の世界を睨む
稀有だろう知り合いの夫婦は何十年も手をつないで布団で寝るそうだ
ああ、私は不滅の恋を吹くシャボン玉芸人になりたい
作品データ
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P V 数 : 767.1
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作成日時 2021-10-01
コメント日時 2021-10-01
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/21 22時49分49秒現在
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