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受験勉強
壁紙に爪を立てて ベリベリと剝がしてみると めくれた面よりも大きな眼があった 慌てて戻して机に向き帰る 数学Ⅱ、因数分解 仮面被ったαもbもそれを取れば実体が見える 数学では虚数iも存在の一つだ 右の壁は見ない しまい損ねたまつ毛が一本飛び出ていても見ない 鉛筆の芯はどんどんなまくらになっていく 高校の数学問題にはその全てに正解が用意されている あらゆる数字や代数はカッコの中へと集約されていく さっきよりも大きく剥がしてみた さっきよりも大きな眼球がぎょろりと広がっていた 毛細血管は採点の赤ペン線より細くて赤い
受験勉強 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 932.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-10-03
コメント日時 2017-10-09
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
>数学では虚数iも存在の一つだ うーん。そうなんですか。そうかもしれませんね。 全体的に適当に書かれた作品だという印象を受けました。なんでかな。ひとつひとつのフレーズが繋がらないからかな。 >仮面被ったαもbもそれを取れば実体が見える 意味がわからなかっなぁ。しかしここだけが「分からない」点だった。むしろ詩かもしれないですね。
0完備さん 恒常的な詩読みとそうでない人たちを繋げ得る可能性を持つのはホラーだ、という仮説のもと何篇か書いてきました。これはそれのうちで一番直接的にホラー表現があるものです。 とはいえ詩なので映画のよう演出すればいいわけではないので、あえてズラすといいますか、ストーリーを進めるのみでまるで小説のようになってしまわないよう詩という表現媒体だからこそできる回り道を挟んでいます。私はこういう詩作の時は、形而上に構築した空間を自分がカメラマンとなってズームインアウト煽り俯瞰を駆使し切り取る感覚で使っていますが、やはりそれだけでは良くないだろう、形而下のカメラが成し得ないような例えば四次元的なカメラ回しを形而上のカメラはしなくてはいけないのだろうと最近思います。 しかし果たして、本当に仮面をとったらその下には実体が居るのだろうか、それは私にもわかりません。
0( )が眼球の象徴となっていて、さらにはその記号が出てこない巧さが非常に好感を呼ぶと思います。 ( )に代入される視点の如何に関して、その後の未来が変わっていく、なんて穿った読み方も出来るかもしれません。 最終聯の説明文くささが、それまでの詩行の楽しさを台無しにしているとは思いますが、 良いのではないでしょうか。 ニヒリズムを最後まで継続させ、飛躍させられたらな、と期待を込めて思います。
0ホラー詩の作者でわたしが尊敬している方がいまして。 春日線香さんという方です。 もし興味がおありでしたら、一度お読みになられるのをオススメします。 詩集も出版しておられますが、たしか現フォにもアカウントがあったと思われます。 感想ではないので申し訳ありません。
0壁紙の向こう側に大きな目があることのシュールさと、受験勉強中にそれを見つけてしまうという状況のシュールさに、ホラーよりもむしろコミカルなものを感じました。シュールな笑いとして読むとそれなりに楽しめる作品だと思います。 「高校の数学問題にはその全てに正解が用意されている」の表現はあまりに説明的すぎるので少し興ざめしてしまいます(果たしてそうだろうか?という疑問も含めて...)。「あらゆる数字や代数はカッコの中へと集約されていく」はとても巧みな言い回しだと思いました。ただ、あえて受験勉強の内容が数学に限定されていることにより、この詩的な表現が柔軟性を失ってしまっている気がします。「数学では虚数iも存在の一つだ」という表現も虚数の「虚」という文字に振り回されすぎなような印象を受けます。個人的に「虚数」が「存在の一つだ」ということに対して「?」とは思わないので、むしろ「数学では虚数iも存在の一つだ」とあえて宣言しなければならないことに「?」となってしまいました。
0無機質な肌触りを数学で表しながら見えない恐怖を描く、テーマはいいと思いますが作品の内容はゾクッとはこなかったです。漫画、ヒミズ、で主人公に問いかける化け物のような目線が描かれていたらツボでした。
0もなかさん ホラーにおいてはなるべく詩中主体の存在を消したい(または極力読者と一体化させたい)という気持ちがあるんですよ。というのは詩中主体が立ちすぎてしまうと恐怖体験はその主体のものとなり、読者としては他人の経験となってしまいますから。 2ちゃんねるの伝説的な都市伝説に「きさらぎ駅」というのがあります。(http://nekonohige.minmike.com/kisaraga_eki_1rime.html) これの秀逸なところは主体(はすみさん)は過去にあった恐怖体験を物語然として書いているのではなく、レスにリアルタイムで状況を書き込んでいることであり、(そのスレにリアルタイムでいたわけでない、まとめを読む)読者もそれを追っていくことにより主体と同じ時間経過を味わえる点にあります。きさらぎ駅が他人事でなくなるんですよね。 そういったことを自分の詩でも成してみたいと思っているのですが難しい。 春日線香さんの作品を数篇読んでみました。「水鳥の夢」(http://po-m.com/forum/myframe.php?hid=8055)これはいいですね。
0仲程さん ホラー詩をやってきた、とはいっても実際どストレートなホラーはいままで少なかったんですよ実は。例えば文学極道に同時投稿した「疲れたときに行くオタクショップ」(http://bungoku.jp/ebbs/bbs.cgi?pick=9934#20171003_404_9934p)も一応区分としてはホラーにしているのですが、でも正直言ってどうなんだろうね、って感じです。 だからコテコテなホラー表現を一度やってみるというのがこの作品の意図の一つでもあります。
0survofさん 実際コメディとホラーは紙一重ですよね。それはどちらも現実に則らない(シュールであること)を目標としているからでしょう。 伊藤潤二というホラー漫画家もシュールを極めすぎて、時にギャグ漫画と形容されてしまいます。 その超現実と、理知的なものの代表としての数学を対比させたかったのですが。説明的というのも、もなかさんへのコメントで言及した主体をぼやかしたいことの反動かもしれません。
0花緒さん コテコテホラーという点では確実に「一種の日常詩の色彩の強いもの」を目指したということになりますね。 前衛やりたいわけではなんですよ。映像表現(最近では二次元的なそれから、三次元的な空間表現にまで及んでいますが。)をやりたいだけでして。形や色彩を見せたくて、だからそこに含まれる意味とかはさして重要でない。現象のみに興味がある。だけどそうなるとやはり説明的になってしまう。某氏に「~ような、という表現が多い」と批評されたことがあるのですが、これも隠喩にさして興味が無いからなんですよ。実像結びたいのに隠喩みたいなあやふやな表現してらんない。とはいえそうも言ってらんない感じなので、隠喩のいいとこだけはかいつまんでみようかと今は思っています。極める気は無い。 つまりは叙述も比喩もいい塩梅を探している途中っす。
05or6さん →作品の内容はゾクッとはこなかったです。 これは死活問題ですわ →主人公に問いかける化け物のような目線が描かれていたらツボでした。 それは「理由のある恐怖」という区分になると思います。なぜ自分が危機的状況に陥っているかがわかる恐怖。 対して理由のない、なぜそれが起こっているのか説明のつけようがない恐怖、実は私はこっちのほうが趣味なんですよ。『遠野物語』は読むと唐突に終わるエピソードが多いですが、ああいうのがいいですねぇ。闇はその先に何が潜んでいるかわからないかわ恐怖してしまうわけでして。思議が不可だからこその不思議です。
05or6さんへ追伸 拙作「kissはチョコの味」なんかは意味不明さ・ブツっと終わる感じを意識して作っています (http://breview.main.jp/keijiban/?id=136)
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