18年、沼、社会よ、正しく善く、なりなさい、(いま、)私。
(明日は違うといい。)かふちょうせい、せめてネットでは……。
違う町で学生になったよ。
家父長制。かふ、ちょう、せい。家父長制
を区切る。好きなところで切るとどうなる。
日本語を区切る。息が詰まる。どうなる、
どうなるんだよ?
自分の体を写真におさめてる。明日から突然同じ様には写れなくな
る気がして。
いま、排水口に詰まった落葉を取り除く
手手手手手さえも引き裂きたい。
無標の手手手手手、腫れて、
(タワーマンションに住みたい。嘘。どこでもいい。合理的に解決
したい。全部分かっていたい。気持ち悪い。)
――雲が日常系アニメみたいに漏れを癒してくれるンゴ――
――悲しいうたはききたくないって何の歌詞だっけ――
よるの雲が
手のひらみたいに落ちてくるのが見えた
イケメン君の顔も、明るい部屋でしか役に立たなくてかわいそう
暗い部屋で、よるの手のひらに押しつぶされるまでの少しの間
僕はTwitterをしている
わたしはひとりではない
わたしはわたしではない
私は、私の涙、私ではない。
学校の友達とは睡眠のことばかりを話題にします。
18才、生死の運命、電車、ギャンブル、顔射、アメリカ横丁、生
死の運命、母子受精、寡婦、調整、家族的類似性。
デモニッシュ、生殖くらいひとりでできるもん、分裂、減っていく、
あ、裂ける、免疫チェックポイント、尖った部分が滑らかにつやや
かに濡れてくれなくて(病的だ)頭振れて(フれて)、悪魔(あー
くーまー)的、市町村章の尖った部分が、悪魔的、婚姻届の提出を、
(いま、)キャンセルする。
寝ることが好きって言ったら、親はなんて言ったか、わすれた。
作品データ
コメント数 : 5
P V 数 : 1543.4
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 5
作成日時 2021-08-21
コメント日時 2021-08-24
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 2 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 1 | 0 |
技巧 | 1 | 0 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 5 | 2 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0.5 | 0.5 |
技巧 | 0.5 | 0.5 |
音韻 | 0.5 | 0.5 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2.5 | 2.5 |
閲覧指数:1543.4
2024/11/21 23時03分03秒現在
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鳴海幸子さん、こんにちは。 >イケメン君の顔も、明るい部屋でしか役に立たなくてかわいそう この一文にはちょっと笑ってしまいました。 イケメンの顔も、じゃなくて、イケメン君の顔も、ってところが良いですね。 おそらく無意識なんだと思うのですが、 そういう何気ないところに作者の文体が顔をのぞかせていたりして そういうものを発見するとちょっと嬉しくなります。 (変な趣味ですね、気持ち悪くてごめんなさい) >自分の体を写真におさめてる。明日から突然同じ様には写れなくな る気がして という一文も素敵だと感じました。 写真に「うつしている」のではなく「おさめてる」んですね。 それも、「おさめている」ではなく「おさめてる」というところが良いと思います。 ちゃんとした日本語を書かなければとなぜかずっと思っていたのですが、 (こういうところは本当に自分はバカなんだなあと思います) 話し言葉の良さを教えていただきました。 ありがとうございました。
1気になったフレーズがいくつもあって、詩中にあるように、それらを区切って語っていきたいなあ、という感じがありながらもきりがなくなってしまいますね。 いわゆる「家父長制」そのものを論じていくというよりも、その言葉にまつわる出来事が並べてあって。いわゆるキーワードとかテーマとかを作品から抜き出す、もしくは、書き取る際に、その言葉について狭く深く凝縮するタイプと広く浅く拡散するタイプがあって、無論この2つはどちらか1つ選択しなければならないものではないのですが、この作品では、拡散するタイプなのかなあと。拡散して描くことで、その輪郭だけを描くような感じです。 気になったフレーズを絞って、それについて書いていきます。 「日本語を区切る。息が詰まる。」 確かに、汎用されている言葉を改めて区切ることで、その発話に支障を来たすでしょう。僕が書いているこの文章も、僕のリズムや語彙で書かれているものになりますが、やはり他者が書いた文章だったり、異国の言葉には詰まるものがあり、言葉を再定義するという作業をすることによって、「息が詰ま」ってしまうということ。 「自分の体を写真におさめてる。明日から突然同じようには写れなくなる気がして。」 いいっすね。 「手手手手手」 手が5つあること。指が5つあると、人間の手になるよなあ、とか思いました。 「よるの雲が/手のひらみたいに落ちてくるのが見えた」 この2行がすんごいキーフレーズだなあと。前の連で、手と雲の話を出しておいて、一見無関係だった両者がここで結びついてきて、読み手は容易に何かが起きているということに気付き、このフレーズだけだと飛躍についていけないかもしれないけれど、前の連からの転換がスムーズでとてもよいなあと。 「寡婦、調整」 所得の控除で「寡婦控除」というのがあって、何かそれを思い起こさせました。あと、一人っ子政策とか、そもそも生まれることが調整されるということ、産むものが調整されるということ。反出生主義とかなんとか。「家父長制」を区切るということの実践。 「寝ることが好きって言ったら、親はなんて言ったか、わすれた。」 ところで、これはどんな親なのでしょう。母親? 父親? 重点はそれがどちらであるかということより、学校の友達とは睡眠の話をよくするけれど、親の言うことは大して語り手にとって重要ではないということのあらわれなのでしょう。 些細なことですが、その前にも「市町村章」っていうのがあって、これも非限定的な表現であって。特定の章をあらわすならば、「市章」「町章」「村章」のいずれか1つを選択するべきなのですが、「市町村章」とあらわすことで、その限定化をさけていて、この姿勢が最後の「親」というところにも繋がっているように感じました。実はこの選択への回避は前にもあって、「タワーマンションに住みたい。嘘。どこでもいい」にもあらわれているでしょう。 「生まれる」ということのテーマが根底にはあると思うんですが、正しく言うならば「生まれ変わる」でしょうか。大分遡りますが、「違う町で学生になったよ。」と。「生殖くらいひとりでできるもん」というフレーズも産むとか生まれるというよりか、生まれ変わりなのかなあと。 ちょっと散らかった感じですいません。
1私もそこらへんのとこ良いと思ってます。でもちょっと飽きたかもしれないですね。
0コメント頂いてから「この詩のテーマって一体何だったんだろう」ってことを考えましたね。 そこは読者も混乱してて、家父長制がテーマだと思っていたが実は生まれることがテーマなのか?みたいになってると思います。 私、今月のこれまでのビーレビの投稿作品を全部一通り目を通してみたんですがそれで思ったのは、みんな結構いろんなテーマで書いてるんだなあと。 それを考えると、根本的に、私の感覚って、エロのことか生きることと死ぬことを対象として書かないと、何かを書いたっていう気になれないというか、少なくとも今はそういう状態みたいなので、他のことはチャッチくて、そういうのテーマにして書いて何の意味があるのか分からないって気になってしまうんです。 あと、確かに最近は産まれるっていうイメージを利用しまくっています。鈴木志郎康の現代詩文庫になんか似たような、母の胎内に還る感じを示すのに女体を過剰に描かなければいけなかったみたいなことが書いてあったのを、「確かに生と死の結節点として産まれるって大事だな」と納得したのを覚えてるので、それをもっと自分にしっくりくるように使ってるというところはあるかもしれません。 なかたつさんが書いてる「狭く深くか広く浅くか」っていう分け方もピンと来ないですね。なんであれ今まさに感じてる語のナマの感覚って文脈として拡散して輪郭をかくことしかできないし、それが結局再帰的に語そのものを示すことになるのだから、なぜそうしないのか、とあえて土俵に乗って書くならそんな感じでしょうか。間違ってたら悪いですけど。
0ルミナスラインというのはよくわからないのですが、パンチラインは短く多くした方がいいと思ってます。
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