この日彼女は解放された
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【百物語】No.16 件の末裔
アイツは極端に口数の少ない奴だった。 ちょうどあんたみたいな感じだったかなー。 あくびやくしゃみをする所も見たことない。 誰だったかな～？アイツをくすぐらせて笑わせようとしたんだけど 顔をニコッとはするけど声までは出さなかった。 また別の奴はあまりにも無口だからさ ほんと酷い話なんだけど、顔を殴ったんだよ。 だけど頬をおさえて悲しい表情するだけだった。 不思議な愛嬌はあるんだけど、基本は気味悪がられていたかな？ 学校の先生もこんなんだからさ 黒板での回答はさせるけど、国語の朗読はさせなかったし 音楽の先生も皆が歌う中で棒立ちになっていても アイツには何にも指摘はしなかったんだよね。 学校ではちょっと関わったりはしたけれど 外では一切関わらなかったなー。 周りの大人がアイツと遊んではいけないって言うし アイツ自身も遠慮してるみたいな感じだった。 でさ、じいちゃんに聞いたわけ。 そうするとさいつも、あそこの家の話はしてはならん！とかいうの。 家のじいちゃんいっつもそう。周りのじいちゃんもそう。 山の中に入って変なモノ見たっていうとヤツをみたのか！ なんであそこに入ったんだ！とか言って怒鳴り散らすの。 んで、どっかに電話をかけて、その間はばあちゃんが仏壇に拝んでんの。 テレビもねえ♪ラジオもねえ♪あるのは祟りだ怨念だ♪なんてね。 まぁでもさ、ある年の大晦日に聞けたのよ。 じいちゃんを煽ってしこたま酒を飲ませた時にさ じいちゃんが言うには件の末裔らしいのよ？ 件ってのは頭だけ人間の牛、そうそう、人面牛よ。 妖怪なんだけどさ、必ず的中する不吉な予言をするんだってさ。 で、うちの田舎って件がよく生まれる場所だったみたいで 件が生まれて予言するから不幸が起きるんだって考えがあったらしいの。 だから件が生まれたら猿ぐつわをさせて殺してたんだって。 で、とある家の人の所でも生まれたんだど 周りに黙って猿ぐつわさせて普通の牛として飼っていたらしいんだよ。 そしてまた件が生まれたらそいつも猿ぐつわさせて飼って 挙げ句の果てには件と件が子供を作って、普通の牛と人間に分かれて その人間がずっと続いてアイツになったんだってさ。 酔っていたから作り話かも知れないけどさ だけど、だから無口だったんかなーって思ったね。 ああ、ごめんね。飲んでるときにダルがらみして いや…雰囲気似てるからさついつい アイツ元気にしてっかなー？ 「そいつ…おれ…」 「え…？」 「20200109…」 「へ？」
【百物語】No.16 件の末裔 ポイントセクション
作品データ
Ｐ Ｖ 数 ： 1008.2
お気に入り数： 0
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ポイント数 ： 4
作成日時 2021-08-12
コメント日時 2021-08-12
| 項目 | 全期間(2025/04/23現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 4 | 4 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 4 | 4 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 4 | 4 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 4 | 4 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
