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怪談になれなかった文章
暗い夜道を歩いていった 夜道を通り過ぎたら見慣れた風景 見慣れた自分の部屋が見える あまりに怖くて夜道をもどる。 暗い夜道にもう何もいない 木々のざわつきにも心動かされない 怪物たちは美しい世界に帰っていった ああお化け、ああお化け もういないのだね どこからかコエンドロの香り 人の声が聞こえぬ民家に光が灯る 暗い夜道にさよならをして 家に帰って米を研ぐ ラジオからは腫れ物に触るような笑い声 明日はもっとひどい日なのだろう 笑い声が引きつってるもの 今晩はよい夢見れるよう願いましょう 昼読んだ本のせいで怖い夢を見るかもね でも怖い夢を見たって誰に話すんだろう お化けを見たからって誰に話すんだろう 孤独で消えてしまいたいって誰に話すんだろう こんなもの怪談じゃない
怪談になれなかった文章 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1067.8
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 3
作成日時 2021-08-07
コメント日時 2021-08-11
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 3 | 3 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 3 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
寂しくて、つまんない毎日の、どうしたらいいかわかんない気持ちみたいなものが、読んだ後心いっぱいに広がりました。
1暗い夜道は、ふつうなら怪談の舞台となる場所なのですが、 本作では夜道は怪談の舞台となりえず、 リラックスできる場所であるはずの自分の部屋が 不安と恐怖の装置となっているという、 通常の価値観と逆転した世界観になっています。 でもなんとなくわかる気がします。 私も家に帰りたくなくて、ちょっと遠回りしたくなる時があります。 家に帰ると、現実の明日と地続きな感じがするんです。 現代では、怪談よりも現実の明日が もっとも不安と恐怖を駆り立てるのかもしれません。
1もしかしたら西洋にもある様な怪談と日本に古来からあるお岩さんとか、お菊などとの間に迷いが生じたのかもしれません。「ねじの回転」が怪談かどうかわかりませんがニュー怪談みたいな性格を持っているのかもしれません。この詩で言えば、怖い夢も怪談の類でしょうね。昼読んだ本が原因と成ったり、矢張り基本、階段の基本は「夜」に有るのかもしれませんが、創作落語の中にはニュー怪談があるのかもしれません。
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