水の声 - B-REVIEW
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水の声    

水の声を聴くがいい 水面のゆらめきに影をとられ なお掴みがたきひとよ あなたもまた歴史の谷を 流れる水の影だ 水は石理を濡らし 戦禍をまたぎ あなたの口を潤した だがこの水さえも 永劫の彼方にうらぶれる 水の声を聴くがいい 声は浜辺と浜辺をつなぎ だが反射する鱗のきらめきに ひとは目を細めてしまう いつしかこの水面に揺れる影が 立ちあがり歴史のさざなみに 手を伸ばすもつい 尻子玉を落っことすだろう それを笑うは小さな童 月下香の薫りも消え始める頃



水の声 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 4
P V 数 : 1484.8
お気に入り数: 2
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2021-08-06
コメント日時 2021-08-10
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/02現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
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閲覧指数:1484.8
2025/04/02 18時35分11秒現在
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    作品に書かれた推薦文

水の声 コメントセクション

コメント数(4)
トラ丸
作品へ
(2021-08-08)

ユラユラ揺れる水面みたいな不思議な爽やかさがありました

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新染因循
トラ丸さんへ
(2021-08-09)

コメントありがとうございます。 爽やかさを感じていただいて幸いです。

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なかたつ
作品へ
(2021-08-09)

 結局、水の声って何なのでしょう。それを知るために、水、と、声というのが主語となって語られています。  「水は」という主語が結ぶ先は「あなたの口を潤」すのであり、「声は」という主語は「浜辺と浜辺をつな」ぐという役割を担っています。水が口を潤すという、声を発するための器官ときちんと結ばれているのが丁寧だなと。  目、手、尻子玉といった器官も出てくるのですが、この作品内で繰り返し使われているテーマが「時間」に関するワードであって、「歴史」「戦禍」「永劫」とあり、最後は「薫りも消え始める頃」というやはり「時間」を指し示す言葉でしめられています。それらを包括するのが「水」であり、「声」というのは形を残さず消える一瞬のものながらもそうした「時間」を繋ぐものとしての役割を果たしているのでしょう。  つまりは「水の声」そのものは一瞬のものとして、そして形を変えるものとして在るのですが、「水」そのものはそこに在り続けて「歴史」を証明しうるものであるということ。この作品の終わりは始まりに繋がっていて、「月下香の薫りも消え始める頃」が過ぎ、消え去った後に出来ることは再び「水の声を聴く」ということ。この循環構造がまさに「歴史のさざなみ」になっているのかなあと。

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新染因循
なかたつさんへ
(2021-08-10)

水、は自分のなかで無意識だとか魂だとか、そういう象徴だと思っていて、なかたつ氏の仰られるとおりそれは一瞬のものだと考えます。循環構造は意識していたので読み取っていただいて嬉しいです。コメントと感想ありがとうございました。

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投稿作品数: 2