幽霊はもう死んでるから
殺されることもないし
生き返ることもないよ
俺が町角に立ってるのを見るだけで
「早くいなくなってくれ」って
人がとんでもなく怖い顔をして叫ぶ
だけど
幽霊はもう死んでるから
殺されることも生き返ることもないよ
同じ所で同じことを考えながら
同じ人の帰りを待って
さようならを一人で繰り返している
生きる者と幽霊は
対等にはならない
仕組まれた時間と
社会の命の企みの外
夕日の町角に佇む
半分透けた鎌の死に神
仲間と口を揃えて
死ぬまでを囁いては笑う
虫けらみたいな人生を
出来る限り悲しむのは
喜びも人を殺すから
じき懐かしい夏が終わる
いじましい秋が来て
とげとげしい冬が去り
忘れっぽい春が生い茂る
吹き抜ける風
青く塗り替えた空
季節が廻り
嵐に耐えた草木が輝く
視野に日光が注ぎ
石造りの町が熱を持って
さんざめく
小さな心を手で繋いで
小さな体がおさまる家に住み
小さな食器やベッドを使い
小さな冗談と小さな本を読む
小さなランプの小さな村
小さな世界がここにあるよ
幽霊はもう死んだけど
君は生きていくんだね
忘れないでほしい
ふたりで春を迎えた日に
心から笑った思い出を
ずっと大好きだったよ
作品データ
コメント数 : 8
P V 数 : 1058.4
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2021-08-01
コメント日時 2021-08-01
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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閲覧指数:1058.4
2024/11/21 22時49分51秒現在
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神の死ではなくて幽霊の死。死の死みたいな感じもします。幽霊ってすでに死んだ存在なのではと思うと、それをもう一度確認している場面なのかもしれません。幽霊はもう死んでいるからと言うフレーズですね。外の世界。季節の移り変わり。春夏秋冬。再び巡る春。笑った思い出は幽霊を排除するのかもしれません。
0コメント有難うございます。 幸せの国で、やっと死んだと幽霊が喜んでいる。 やっと何もかも忘れられるともろ手を挙げる。 不気味で、わりと書いてて楽しかったです。 排除より、成仏という感じでしょうか。心残りがなくなって。
0これは、エイクピアさんの詩なのですか!? 情感あふれる素敵な詩ですね! こんな風に愛される「君」は、なんて幸せな人なんだろうか ...
0筆者様、エイクピア様へ 私が先にコメントした文は、宛先を勘違いして書いたものになっており、 作品の作家様、エイクピア様には、大変失礼いたしましたことをお許しくださいませ! 作品に感じたことは、率直な感想であることに間違いありません。
1なんと、そうだったんですか! 感動しました!作風が違うので、 別の方が書かれたのだろうと思ったのですが、 エイクピアさんの新境地なのですね! 良い作品に巡り合いました!
1コメント有難うございました。励みになります。
1小さな心を手で繋いで 小さな体がおさまる家に住み 小さな食器やベッドを使い 小さな冗談と小さな本を読む 小さなランプの小さな村 小さな世界がここにあるよ うまいなと思いました。
0コメントありがとうございます。 世間並の仕事は最新鋭と、互換性のある下位機種の献身で支えられ、人間はおまけになってしまう気がする。 どぶに住処を持ち忌み嫌われても、今日を無事に過ごせれば良いネズミ達が築く暮らしは、同じくらい大変で幸せかもです。 コメントありがとうございます。
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