拝啓、あまねく光の母です
夜の日のこと、せめてだなんて言い訳もなく、
光に祈る獣と、人じゃなかったひとが月を訪ね
ます、言葉もなく、音もなく、なんにもなさに
膝をつきます、家を、ただ家を探しているから、
隠れ家としての手の中にだけ、あまねく光の子
が待っています、朝よりも透き通ったけものが
宿っているのなら、せめてだなんて言わないで
ください、内緒すらない緩やかな曲線をなぞる
ことを、繰り返し繰り返し、くりかえし、疲れ
ることすらない四足歩行で、なまえもなく距離
もなく、くりかえし、その足で黙祷し、せめて
だなんて、言わないで、ただあしあとをおくり
迎え、咲きかけたてのひらの、ひかりひらりと、
つきのけものの母の、まぶしさ、まぶ、よるの
しじまの、よるしま、なんにもなくて、なにも、
いかなくて、家いってなくてて、いえいえ、母
ばなれ、つきひか、くりかえされたいえの、い
いえ、いまから、はは、は、はいっ、はいっ
はいけい あまねくひかりのこどもです
うまれた
作品データ
コメント数 : 8
P V 数 : 1150.7
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2021-08-01
コメント日時 2021-08-03
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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閲覧指数:1150.7
2024/11/21 23時31分05秒現在
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視覚が実際に感知するのとは違いましたが、月の光が静かに全体を覆っているような印象を受けました。夜の日なのでもっと暗くてもいい筈なのですが、読点で書かれていることがこの明るさの理由なんでしょうか。家を探す母とひかりのこどもがさまよう姿が、読み進める内にわずかで断片的なイメージから浮かび上がってきました。
1つきのけものの母の、まぶしさ、 こんな言葉にはじめて出会いました。
0うまれた。ひかりのこどもが。月光の事ですか。月を訪ねるという発想が新鮮だと思いました、かぐや姫を連想させるのですが。
0月の光が静かに全体を覆っている、わずかで断片的なイメージが浮かび上がっていく、という感想がうれしかったです。読点のせいかもしれませんし、夜の世界だからこそこの世界では月の力が強いのかもしれません。一作者(一読者)の解釈ではありますが。
0漢字からひらがなへ、大人から子どもへ、意味+リズムへ、という変換点として重要な一文のつもりでした。クリティカルに注目していただけてうれしいです。ありがとうございました。
0ひかりのこどもとはなんなのか、感想を読むまでそういえば考えませんでした。ひかりのこどもってどんな姿なんでしょうね? みんなが連想することを、私だけは連想できないということが人生でとても多いです。月のうさぎは少し連想したかもしれません。 なににせよ、ご感想いただけてうれしいです。ありがとうございました。
0「内緒すらない緩やかな曲線」とか好きです、なんで行わけじゃないのかとか考えました。
1本作ではいわゆるルミナスラインをうまく書けなかった(光る一文が少なかった)のが作者としては至らぬ点だったのですが、それでも作中ではその一文は比較的上手く書けた一文のつもりでした。ありがとうございます。 なぜ行分けではないのか?と考えた時、行わけが前提だった理由が言えない理由があるので内緒です、となり、共時性を感じました。読者としてはどちらが心地よかったのか気になりますね。こちらも参考になりました。
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