根拠のない優しさという名を持つ君は - B-REVIEW
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根拠のない優しさという名を持つ君は    

 ホットミルクの膜をつまみ上げて人差し指に巻く  深爪をしすぎたため  癒すということは 曖昧になるということだ    境界線は揺らぐ  ベッドの上に雑誌があり  机の上に枕がある  僕は人の形をした器に注がれた水のようになる  深夜2時が濡れているのは、クーラーのタイマーが切れていたから  君は、へふ、へふ、へふ、と 矢継ぎ早に息をする    深夜1時に見た夢が深夜3時に呪われるまで  深夜2時はしとど、しとど、しとど濡れている  根拠のない優しさという名を持つ君は犬  温かくならず かといって涼しいわけでもない  ぺちゃんこの羽毛布団を君はほしがる  根拠のない優しさという名を持つ君は犬  僕は飼い主  まだ人でいる



根拠のない優しさという名を持つ君は ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 6
P V 数 : 1756.2
お気に入り数: 1
投票数   : 1
ポイント数 : 2

作成日時 2021-07-29
コメント日時 2021-08-15
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧20
音韻00
構成00
総合ポイント20
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧22
音韻00
構成00
総合22
閲覧指数:1756.2
2025/04/10 01時40分06秒現在
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    作品に書かれた推薦文

根拠のない優しさという名を持つ君は コメントセクション

コメント数(6)
まさ
まさ
作品へ
(2021-07-30)

自分的に、ひとつひとつのセンテンスが よくわからないような、でもなんかわかるようなという ポエミーライン(造語です)が絶妙で、とても好きです。 このラインが自分に合ってると、何度も読んでしまいますし、 なんども読んでいるうちに新し発見がでてきて、 詩全体の印象がどんどん更新されていくのが楽しいです。 最後の一文はこの詩全体がいたって冷静な視線で 描かれていることが告白されていて、 そら恐ろしいような、だがむしろそれがいいような なんとも言えないような、癖になるような読後感があります。

1
エイクピア
作品へ
(2021-08-01)

人間に忠実な犬、懐く犬は好かれやすいのかもしれません。この詩いきなりの初連で、牛乳の膜を人差し指にまく所業で、読者を惹きつけたと思いました。夢のエピソードも面白く読みました。

1
楽子
楽子
まささんへ
(2021-08-05)

わあ、ありがとうございます。 私も「よくわからないようでいて、でもなんかわかるような」みたいな詩が好きで 真っ暗闇でその形とか感触だけを触っているような気になるものが好きなんですね。 だから私の詩もそういうラインを保てているのであればとてもうれしいです。

1
楽子
楽子
エイクピアさんへ
(2021-08-05)

そうですね、愛される犬。愛されない犬もいて、愛されない飼い主もいる。 感想ありがとうございました!

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キチガイの私
キチガイの私
作品へ
(2021-08-06)

こんばんは。不思議な世界観で、引き込まれていきました。 読みが浅くてすみません。 語り手の僕と、君、との間に、主従関係が存在しているのかどうか。君という存在が、ただ扱いやすいという意味での犬なのか、本当にただの犬なのか、色んなことを考えてしまいました。

1
楽子
楽子
キチガイの私さんへ
(2021-08-14)

ありがとうございます! 私が好きな詩は読みが浅いとか、正解の解釈などはなくて、人の経験によってかたちを変えながら響くタイプのものなので、 そういう部分でなにかを共鳴できたなら嬉しいてます。

0

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投稿作品数: 2