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単調な旋律
並木道をバスが過ぎていく 政治活動をやろうとしている人たちの激しい演説の嵐 僕は思わず抑え込もうとしたがそれさえもできない それが描かれているのは美しい漫画の中の夜である 西日が滑るように私は街を滑り カーブし 落ち目を受け入れようとする 眠気から覚めて私はわざと目を閉じる スペースキーを入力しようとして立ち止まる あれは魂削って書いているという感じではない 生きることが書くことそのものなんだよ その一節をスマホから削って 眠っている 姿はまだ文献の中で形を変えようとしている すぐに魂が唾液と共に吐き出され 画面の中の私へと飛びかかる まるで畔の中の蛙のように泥にまみれて 霧吹きが私をけしかけようとするから 誰も見なかったのだ まだ誰も見なかったことにはできない
単調な旋律 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2641.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-10-01
コメント日時 2017-10-29
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
スペースキーを入力しようとして立ち止まる→僕はスペースキーを入力しようとして立ち止まる に変更してもらえるとありがたいです。 よろしくお願いします。
0変更、した方がよいですか?〈僕は〉が、ない方が良いような気もしますが・・・。 〈それさえもできない それが描かれているのは美しい漫画の中の夜である〉それ、と二度繰り返す意味は・・・と問いかけて、漫画の中、という場の転換に、なるほど、と膝を打ちました。 〈落ち目〉とは、自身の落ち目、であるのか、政治活動に盛り上がる人々からの〈落ち目〉であるのか・・・活動に情熱を燃やすことのできる(自身の正義を信じたり、目標を明確に定めたりすることのできる)人々、その人々のいる「空間」から、カーブし、滑り落ちていく・・・そんな語り手の感じている想いが伝わって来るような気がしました。 スマホ画面に、文字(詩のもとになるもの)を打ち込みながら、消して、削って・・・そんな行為を繰り返す。そこから抜け出すことのできない感覚をうまく捉えているように思うのですが、〈文献〉・・・書物の山を思い浮かべつつ、スマホに文字を打ち込んでいる書き手と、文献の中でうごめく?イメージとの関係性が、私にはうまくつかめませんでした。 〈あれは魂削って書いているという感じではない〉魂を削って書く、という行為・・・ペンをガリガリ言わせながら書いているイメージが浮かびますが、削る、という物質的な言葉と、スマホ画面の言葉を消去するデジタルな感覚の齟齬。そこに面白さがあるように思います。〈あれは〉が、何を差しているのか(前段落の、政治活動にいそしむ人たちが生み出している言葉、のことなのか、あるいは、自分自身の行為を回想している、のか・・・)そこに解釈の幅が生まれる。 〈僕〉と〈私〉の不統一は、意図的なものなのかどうか。そこも気になりました。 他の方は、〈あれ〉を、どのように読むのでしょう。
0いくつかの風景が重ねられた多重露出の映像のようだな、と感じました。書かれたそれぞれの短い言葉がお互いにオーバーラップして重なり合うような錯覚を覚えます。とりたてて鮮烈に視覚に訴えかけてくる言葉や表現があるわけでもなく、どちらかというと平易な言葉が選ばれているにもかかわらず視覚、聴覚がとても刺激されるのが不思議です。 いくつかの筋に解体して読んでみたいような誘惑にもかられますが、非常に巧みにより合わされているようにも感じられ、「誰も見なかったのだ まだ誰も見なかったことにはできない」といった分断された表現や、まりもさんが指摘されておられるような不統一も、作品の魅力をそこなうというより、どこかポリフォニックな感覚を演出するのに一役買っている気がします。
0まりもさん、どうもありがとうございます。 やはり、変更しないことにします。この形のまま書き残したということにも、あとあと発見できる何かしらの意味があるのかもしれない。 僕と私の不統一は、意図的なものなのかそうでないのか、これを書いた時から随分経っているのでわからないですが、ひとまず私が一番最初に書いたものでは、私が指定したような僕と私の不統一があったことは、言及するに足るものと思います。 survofさん、どうもありがとうございます。 まさにポリフォニックな感覚こそが、私の描きたかったものであると申し上げておきます。私は無知ゆえ、僕と私の不統一が顕著に現れ効果的な演出をなしている詩を知りません。しかし、流石に自分がこの方法の発明者であるとまでは言いません。方法論としての詩の発明者は、もうネットと紙の垣根を超えて、活躍していることと思いますから。
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