私の高校三年間、ずっと海沿いを歩いていた
私の仕事は海の物を拾うこと
拾うものはなんでも良い
砂でも貝でもなんでも良い
ただ、自分の袋に詰めていく
ただ、波に沿って歩いてく
でも私の袋はズタボロだ
麻のような袋なのに、網目のように穴が空いている
私の仕事は海の物を拾うこと
だから浅瀬の砂を詰めて言った
だけど砂は零れてく
ただ、自分の袋に詰めていく
ただ、波に沿って歩いてく
それから二年たったころ
今までは大丈夫だったのに、私はお腹が空いてるのに気がついた
私の仕事は海の物を拾うこと
いつもよりも奥に入ってみた
そこにあったのは貝だった
ただ、自分の袋に詰めていく
ただ、それを食べていた
それから一年たった頃
私は貝じゃ物足りなくなったので、魚が食べたかった
私の仕事は海の物を拾うこと
だけど空腹の私は欲張りだ
だから魚を釣ってみた
ただ、自分の袋に詰めていく
ただ、それを食べていた
袋の中はたんもりだ
初めは穴だらけだったけど、補強した
だからそこには貝も魚も溜まっていく
これで未来も食っていけるぞ
作品データ
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作成日時 2021-07-17
コメント日時 2021-07-17
#現代詩
#縦書き
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2024/11/21 23時39分11秒現在
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ああ、これは詩だなあ、いい詩だなあ、と思って なんども読み返しました。 過去から未来にかけての人生を、 海の物を拾う、という行為を通して 現実的過ぎず、空想的過ぎず、 ちょうどいい塩梅で描かれているところが好きです。 ただ1点、ちょっと最終連が駆け足に感じて、 特に「補強した」という言葉が、 ちょっと浮いているというか、なんかあっさりしてるというか、 この詩のなかだと、なんか身も蓋もない感じがしたのが、 ちょっと気になりました。 でも、ひさびさに詩を読む楽しさに浸ることができました。 どうもありがとうございました。
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