ゴーゴー十五歳のぼく
触れる自由が欲しいから
盗んだ子宮をすり潰す
(海兵さんのどろんこ色の
肌に焦がれた8歳)
風はずっと勝手に吹くし、集団下校はうるさいけれど
多分ぼくのせいじゃないんだ
全部ぼくのせいじゃないんだ
今夜ここを抜け出して、間引かれたきみにキスをする
アルコールも麻薬もニコチンも、全部誰かの嘘っぱち
ねえ、ドレスなんか着ないんだ
パーカーの上に、ジャケットでキメた、十五歳のきみが欲しいんだ
(もう一生、女々しいことは言いません。あなたがそばにいてくれるなら、銀河鉄道に乗れなくてもいい。)
ゴーゴー十五歳のぼく
触れる慰めが欲しくて
盗んだ子宮に唾を吐く
(立てひざの少年に恋をして喉を濡らした14歳)
この道は、全部削ぎ落とされた乳房でできてる
こんな道にツツジは咲かない
だから、スニーカーで一歩前へ
ローファーなんて履いてやらない
つま先がムズムズするんだもん
青春がムズムズしてるんだもん
ねえ、ほんとはぼくに青春なんてなかったけど、今日からそういう日を生きていいかな?
薔薇色慣れしたホールでも、ぼくのうぶ毛はノれるかな?
(7歳の女たちを砕いてソーセージにしていく。残ったシュシュは焼却炉に捨てた。)
青い照明は、本当はなんにも衰えさせたりしないんだ
むしろ散弾銃を隠すのにはもってこい
むしろコンクリートを隠すのにはもってこい
リザも妲己もガラも皆殺しにして
シグナレスもウェンディも妙も皆殺しにして
きみはぼくのチョコレート色のアルチュールになってくれる?それとも、カンパネルラに?
もしよければ、ぼくの誘いに応じてよ
エスコートさせて?ぼくは騎士じゃないけどさ
きみもお姫様ではないんだから
目の端にパチパチと北極星が輝いて
きみは小さな旅人なんだから
ふたり一緒に、東村山駅発猫町行の準急とか乗ろうよ
ニライカナイで途中下車して知らない時代まで飛ばそう
女陰を燃やした灰じゃあきっと、綺麗なツツジは咲かないけれど
( 切り裂きジャックに花束を。君想うゆえにこそ朝霞は哀し。)
ゴーゴー十五歳のぼくら
盗んだ子宮を轢き潰せ
作品データ
コメント数 : 12
P V 数 : 2267.4
お気に入り数: 1
投票数 : 3
ポイント数 : 9
作成日時 2021-07-11
コメント日時 2021-08-08
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 2 | 2 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 9 | 9 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0.5 | 0.5 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 0.5 | 0.5 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 0.5 | 0.5 |
総合 | 4.5 | 4.5 |
閲覧指数:2267.4
2024/11/21 22時58分19秒現在
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とりはだ・・・
1凄い詩だ。
1褒められたって思っちゃって大丈夫ですか?
0ありがとうございます
0おそらくここ最近で投稿された3作ってシリーズなんじゃないかな?って思ったんですが、どちらにせよ正直この作品だけでも十分トラウマになりました。なかなか忘れられないんじゃないかな・・・。生理的に受け付けないほどの「暴力」を隠喩に託した圧倒的な筆致で読ませてしまう。言葉にある種の美しさが宿っているから、描かれた「暴力」の不快さは後からじわじわと浸透してきます。筆力では到底及ばないことを、最初に読んだ時に一瞬で思い知らされました。それでもこの作品の持つ暴力的想像力は、私の感性が受容できる限界を遥かに越えています。つまり個人的な話をすれば、僕はこれを読んで引導を渡されたんです。これを読んでトラ丸さんが嬉しいと思えば、これは褒め言葉だし、そうじゃなかったらそうじゃないです。
1なるほど!言葉が綺麗って思ってもらえて嬉しいです。あと、嫌な気持ちにさせてしまってごめんなさい。ぼくは、ちょっと乱暴なところがあって、それを詩なら我慢しなくていいかもしれないって思ったんですが、読んだ人はやっぱり「無理」っておもうこともありますよね。 でも、むかしだれかから聞いた言葉で、感動っていうのは心が動くことだからいいほうに動くか悪いほうに動くかは関係ないんだよっていうのがあります。ぼく、この言葉がすごく気に入っていて、なので、感動させられたんだって前向きでいるようにします。 最後に、ほかのも見てくれたんですね。すっごく嬉しいです。ありがとうございます。
0ルビを追求していく方向もっと見たいです。いいですね、野心的で。
1ふりがな遊びは、打ち込みが大変だったけど楽しかったです。またやって見ますね。
0「ゴーゴージューゴのぼく」のちょっと籠った感じから始まるのが、思春期の頃のちょっとした閉塞感を表しているようで好ましく感じられました。 全体的にすごく好きで、なんとか言語化してみると、中学生くらいの頃を実際に手で触っているような触覚的な懐かしさがまず来ます。(とはいえ、シンプルに「触」という漢字に引っ張られたのかもしれません。あるいは、唾液や子宮といった内臓・体液系の語彙からの連想なのか…) あとは、年齢が若ければ若いほど、暴力性や猟奇性との何らかの親和性というか、けっこう死に近い場所と精神性で毎日生きていたなぁという気がして、その感覚を懐かしく思い出したのかもしれません。自分もそれくらい年の頃なら子宮を盗んで轢くような肉体破壊のイメージが心の中に宿っていたような気がしますし、あとは図書館でひたすら流血したり拷問したりする書籍や漫画がわりと人気だったりとかもしていて、それでいて別に芯から絶望しているわけではなくて、という思春期の独特な空気感… ルビもすごく好きなのですが、これは好きな理由が自分でもさっぱりわかりません。何かの効果を狙ってのことでしたら、ぜひ伺ってみたいです。(明確なものでなければ、お構いなく!)
0これラップ?! めっちゃクールだなー!!
0たぶん若いっていうか幼いほど元気があるから、人を愛したいって気持ちも人を傷つけたいって気持ちもいっぱいあるんだと思います。 ふりがなは、文字にあるイメージと、音にあるイメージとが微妙に違うなってなった時に両方出せたらなって思ったのと、音楽とかで特別な読み方をさせたりする奴がすごくかっこいいなって思ったからつけました。
1ラップではないんですが、音楽っぽさっていうか、リズム?みたいな感じはちょっとだけ意識しました。
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