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うまく言えないけれどわたし、あなたとはなしがしたかった
あこがれているものがある。 きっとこれからもずっと変わらないもの。 信じつづけているものがある。 ときどきわたしを悲しくさせるもの。 水をたっぷりと含んだ空気の手ざわり。 土のにおいのするコンクリートのあの天才みたいな質感。 きのうの雨は晴れた空をいいなとかんじるためのヒント。 「こんなイエローはじめて」と泣いたあの日の空は、 わたしがほしいものになんだかよく似ていました。 いろんなことをかんがえます。 いつでも触れられるわたしのこと。 画面のむこうにいるあなたのこと。 ライカが行った宇宙のこと。 とまらない世界のこと。 とほうもないこと。 はてしのないこと 。 そう、いろいろなこと。 たよりない呼吸の繰り返しをループさせて まんなかに引きよせた世界に わたしは ずずんと沈んだり、どこまでも感動する。 そして、あおい地球のほとんどは海 まっしろな雪を掘り返したら赤いマグマ わたしにはいけない不可侵の領域 そんな場所がのこることを想像すると なんだか 人間っていうやつは 悲しいくらいちっぽけになってしまう。 いくら傲慢になっても かわいい人間。 マントルまでいけることはないし 銀河のはしっこまでいけないけど いまもそれは確実に ある。 ずっと とおい なにかをおもう。 わたしがちっぽけなのは わたしがおおきな流れの中の一粒の砂だからだ。 あなたがちっぽけなのは あなたがピース・オブ・宇宙だからだ。 わたしはちっぽけではない。 あなたもちっぽけではない。 わたしだけでは、 あなただけでは、 わたしたちはちっぽけになれない。 知らない誰かがいう安いしあわせ 世間がゆるさないちいさな悲しみ そんなものがわたしを支えるすべて それっぽっちがあなたを生かしてくすべて そんなときに「なにかつたえたい」と思います。 たいせつでだいすきで仕方のない人たちに。 それでもうまくいえないことがある。 かなしいこともかなしいと、 うまくいえない うれしいこともうれしいと、 うまくいえない ほんとうのことをほんとうはね、いつもいいたい それがわたしのよわさなのだろうな それがわたしのかなしみなのだろうな それがわたしのたたかいなのだろうな
うまく言えないけれどわたし、あなたとはなしがしたかった ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1047.1
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2021-07-09
コメント日時 2021-07-09
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
博愛主義が腐臭に堕す時、それが迫害されずにいいねいいねともてはやされること。本来、誰かが誰かを解るなんてことはなくて共感などまやかしでしかない。平和、宇宙などまやかしだ。その欺瞞を問わずして、その欺瞞に無自覚に、さも他人をわかったように、誰かの詩をわかったようにのたまってしまう、その原罪のようなもの。 結語として、置かれた、たたかい の一言と、それを、だろうな とされているところに、原初の罪とその罪を抱擁するマリアの慈愛が本作には宿っている。けれども、もたらす感情が薄い。まだ苦痛が足りないのだと思う。まだひとりよがりでナルシスティックの域を出ていないのだと思う。まだ、人間を捨て切れていない。
0あったかいコーヒーでも飲みながらこんなこと話したりするの、いいかもしれない。 でも話を聞きながらも窓の外を見たりして、他のこと考え始めるかもしれない。 ここで書かれていることはみんな、窓の外の鳥たちが話していることで、 あなたも本当は別のことを考えたりしているのでしょう。 可愛いねと言いながら、サンドイッチをめくって、中身を確かめながら。。。
0作品を拝見させていただきました。 「こんなイエローはじめて」と泣いたあの日の空は、 わたしがほしいものになんだかよく似ていました。 この部分が特に好きです。空はイエローなのは、夕陽なのかな、比喩なのかな、など色々考えざれられ、語り手がほしいもの、とは何なのだろうかと興味を持ちました。それは、暖かくて優しいのでしょうね。 良い作品をありがとうございました。
0作品読ませていただきました。 色んなことを思考し、触れ、感じていく。 とても、瑞々しい苦しみや悲しみ、さびしさに満ち溢れていますね。 悲しいかな、年齢を重ねるとそんな力が弱っていくのです。 その瑞々しさを見るのが嬉しい、そう感じました。
0私が書くのは、タイトルにある「はなし」をする為の行程かもしれません。結局は、ほんとうに、ほんとうのことをいうための練習で、詩である必要は特になさそう。 良いも悪いも知らずに、続けています。私もはなし、したいですね。
0「土のにおいのするコンクリートのあの天才みたいな質感。」 がどんな質感なのかまったくわかりませんでしたが、 天才かと思いました。 天才かと思ったんですが、 全体的に独創的な部分と、ありきたりな部分が混在していて、 それがなんとも言えないカオスとなって 独特の詩情を醸し出していますね。 なんとなく若い方かなと想像したのですが(違ったらごめんなさい) 今しか書けないもの書いていて、 とてもうらやましい気持ちになりました。 これは余計なお世話ですが、 筆者さんの場合、うまくまとめようとしたり、 答えらしきものを出そうしたりしなくて いいんじゃないか、と思いました。
0とってもやさしい感じがして素敵です。
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