夜光虫
別枠表示
ヴァシュランアイスを食べながら
泣きながら、座り煙草の女の頭を叩く。より頭を垂れ深くなく。泣きたい時は泣けばいい。 一抹の不安は消えないままでブランド鶏を喰らう。もう貧乏でない。鶏肉を嗜好品にしよう。流刑地に流されてもコートを着るように。 アルビノで生まれ色覚障害。偏頭痛から羞明。痒みにまた我をわすれめばちこ生じ、隣人に聞こえぬ程度の嘲笑と細やかな暴力を振るう。 朝になり昨晩酔って浸けて置いたフレンチトーストを焼く。バターの香りで両面に焼き色がつく頃むくりと。君は起きがけでそれを喰らう。シナモンと黒胡椒とピクルスにしか使わぬピーチリキュール。コルカタの金を真似て無重力の中ポルトリガトの聖母を思う。また酔ってる。理解されぬ、俺も出来ぬことが言葉となった。 地震？足が痙攣してるだけだって身体からオスマゾームが滴り、隈なくいただく。 曇天。窓から入る冷風に呼吸し毛布にまだ籠る。不規則な雨音心地良い。映画を見る。雲の多い朝は画面が反射しないので映画に向いてる。焼酎を割ってなら飲んでいいって。終わりごろ君が起きたので画面を止めて昼食を作る。バジルが黒ずみ始めてる。塩漬けの実山椒と、梅干し、生姜を叩く。梅干しの種を出汁に入れ、沸く手前に火を止めガス口から下ろす。別の鍋に湯を沸かす。コンロは一口でもどうにかかる。余っていた茗荷と胡瓜を千切りす。たっぷりの湯でうどんを煮る。ザルをかましたボウルに水をはりよく冷ます。氷と新しい水を入れ、うどんを冷ます。胡瓜と茗荷も浮かべておこう。出汁を火にかけ塩、味醂、醤油で塩梅を*-。蕎麦猪口に注ぐ。冷凍庫から印判皿。うどんをキッチンペーパーで水切り、寝かせるように並べる。茗荷と胡瓜を適当に散らし、中央に薬味を。皿と猪口を持ち小さなサイドテーブルへ。ティッシュを退かせる。俺は灰皿を持ち、台所で煙草を吸う。君はまだ手もつけない。喜んだけどテレビに夢中。俺が洗い物を終える頃、背中越しにおいしいと聞こえ笑っている。俺は俺を作った物を食べない。画面を再生し映画の続きを見る。食事と映画の微睡みの中、 昼に抱く、気は乗ったが体はのらない。より曇天の空、閉ざされた窓を開ける。すぐに君は服を着る。俺も切る。映画の史実を確認する頃君がパンを作り出す。俺はもう酔ってる。本を読みながらうとうと。手伝っての返答は無視。彼女は黙々と作業をす。眠気にかつ小説。幕間の時間。集中できるもので安堵する。 思える頃、音がなく姿が見えない。トイレを開けると誰もいないワンルーム。気色で振り返る。洗濯機の影で君が体育座り。不機嫌な涙を浮かべている。手をとるも、駄々を捏ねこちらを見ない。俺は何を言っただろう？酔って面倒。でなくとも。ともかく君は機嫌を直しパンを捏ねた。俺はベッドでそれを見て本に戻る。酔ってるからか手伝わなかったからか、いや行為があるとを泣きがちだ。不安定な要素が重なったか。今走らない。明日聞いてみよう。 目が覚めると君はいない。あぁそうか。そうだろう。考えるのも億。薬を多めに飲み本を読みながら酒を飲んだ。 こちらとあちらの狭間を行き来、君は帰ってきた。表情は覚えてない。不機嫌はまだ。君は買ってきた大きな袋に沢山の荷物を入れた。俺はさすがに問いただした気がする。でももう疲れたのでもう3錠薬を飲んだ。 朝だった。君の目覚ましが3度目だったので起きた。晴天だ。横に君はいて朝の薬と煙草をのむ。体の反応が鈍く。ややふらつく。君はいつものように煙草を吸ってる俺を見ている。何見てんだよ？ベッドに戻ると泣いた。昨日はごめんなさいと言う。どれの事だろう。記憶がない。薬飲んで酒飲んで譫言をほざいたらしい。何を言ったかを聞くのはよした。思ったよりも朝だった。何時に出掛ける？3時。そうか荷物を持って出るのか。俺はも一度台所で煙草を吸った。一人で持ちきれぬほどの2つの固まり。持ってくんでしょ？いいや。やめたの。 君はもう一度ごめんなさいを言って眠った。半開きの目で何かを見てはぶつぶつ喋った。俺は水のグラスにそっと焼酎を入れた。オーブンには少し焼きの甘いパンが出来上がっていた。 瘴気まく者を邪推する寂寞の中、 夙夜夢寐、忸怩たる その炯眼さながら給餌され、嚥下して尚朝餉を誂える 閾値を知り、耳を欹てる耽溺する様 屡々、閨事、煩悶、膂力足らずして 服を脱げば、ボッティチェルリのような体を成し、ハエトリクモとシャワーを浴びて、 エアコンをかけておくよ。寒いから、いとも容易く抱きしめるだろう。 どれだけ眠れぬ夜が続いても、朝は必ずやってきて、どれだけ眠れぬ夜を過ごしても、朝はいつだって眠い。 夢で描かれ、酒でそれを継続させる。誰かこの病床を止むべきか。時折思い出す微温。 彼女は仲間意識からその柄を肌に入れた。奴隷の証だと。屈託した気を孕む。吐かれるまでは誇りにすぎず、そうされてもふんだん些事。テレビでは屈強な男たちが弱者のように振る舞う。そのフリをすることを学ぶ。傷つけられるよりかも傷つくことの方がいい。知ってる？痛みはあるだろうが、されると思うと我慢が出来るんだ。 皿の上に絵を描いた。分子化学料理を用い。味を忘れた頃、少女と出会った。彼女と話してる自分に嫌気が差した。それでも本能的に悪魔的に、その瞬間はその10年で最良だと思ってる。 淫乱になればいいさ、覚悟を持ち進めばいい。 死にかけ金も名声も失い、心拙い若者により肩を貸した。レモンパイを作って。 プロモーションは実に陳腐でレモンガールとなる。 少女はよく笑った。泣いてたであれば俺はもう少し自尊心を保てていたであろう。 そうしてる間も胃は痛く、繰り返しお前の顔を見る。 俺のレモンパイは旨いかい？俺はこうして君を考える。君はその様に生きればいい。行く末安堵してごめんねを言う。君は誰かが乗り移ったかのように下世話な冗談までも聞き入れ何にでもおいしいと言う。 俺は不味いものばかりを食べて胃がいたい。だから時折摩っておくれ。酒を飲みすぎない 俺は2つに分かれ、そのどちらの分身も同じような能力で、俺らは4人で結局君に話しかける。どの言葉も響きようが今はない。 水で割った氷が溶け、そこに酒を足して、やがて常温で原液を飲んでいる。それに気づかれうるせぇとも言えず心配は面倒くて、ようやく眠れる。
ヴァシュランアイスを食べながら ポイントセクション
作品データ
Ｐ Ｖ 数 ： 905.2
お気に入り数： 1
投票数 ： 0
ポイント数 ： 0
作成日時 2021-07-09
コメント日時 2021-07-16
| 項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 0 | 0 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 0 | 0 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 0 | 0 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
料理や食事に関する詩はよくありますが、これは食欲が湧きませんね。「食べること、味を見ること」よりも、「食卓での会話」に重きを置いているような（コンセプト通りだったらそれはそれでいいんですけど）。衝動に身を任せて書かれたように見受けられます、若干DVの気が見える辺りにも。 ところで、過去作品をざっと読ませていただきましたが、今作からまるで生まれ変わったような変化をしていますね。個人的には前の方が好みだと思いましたが、作風とはベストマッチかなとも思いました。衝動に任せて書くのもよいですが、たまに立ち止まって俯瞰する必要がありそうです。誤字脱字にお気をつけて。
0