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男性教育
知っているだろうか、精神や言葉よりも先立つもののことを? 十八歳の少年が、一人でそれを引き摺って歩いている 雨はものの香りをいっそう強く濃くした 春、初めて来た町の泌尿器科に向かっている 彼は自分の性器が正しい形をしているのかどうかずっと疑っていた 性器が嫌いだった、ひいては性というものが嫌いだった 彼の親は勉強しなさいとばかり言って、大切なことをしなかったのだ 性は少年にとって軛となっていた 男性を背負えず、 恋愛の芽はことごとくこれを摘み、捨てざるを得なかった ものの見方考え方、さらには言動にまで影響が及んできていた 彼は疲労してゆく一方であった いつまでも放っておける問題ではなかった ついに彼は自ら決心して、泌尿器科に行くことにしたのだった 「どこが悪いの?」医師はほとんどあきれたように言った 「何も悪くないよ」 少年はこの瞬間に自由を得て、 地から宙に浮くような軽さを覚えた 他者によって確認されるということ! このことによって船出が可能となるのだ 少年は遅い船出をした 青年になった 滑稽なことだろうか 彼は男性を担うことができるようになった 性は、身体は、精神や言葉に先立つ 進め、性の虫
男性教育 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 935.2
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2021-06-23
コメント日時 2021-06-24
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
コメントありがとうございます。 作中に情報というか人生上の知恵のようなものを入れたいという気持ちが私は強くてこのような作品になるのですが、本当に憧れているのはストーリーではなくて詩なんですよね。詩にストーリーが含まれているのはいけないとは思いませんが、それがあまり強く出過ぎるのが自分でも好きになれないという厄介な状況に現在陥っています。
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