別枠表示
(自分のほんとうの好きはきっと見つかるor見つからない)その先
筆跡の先に文明は築かれて 君の中はバスタブで ぼおっと誰ともしれない人に惚れる 流れる景色の先 僕たちの楽園 それは幻想 僕たち自身を定義するものはない 僕たちを押し込める形式と魂の器 それさえなければとずっと思っていたのに 遮るものがない荒野で、ぼくは風になっていた かように清々しい存在、流れゆくもの、そして苦しい 酵母がグツグツいうあの酒蔵に残された体が身を捩っている その体は魂の枷であり、魂を感じるための器 魂だけになったら、ぼくは草原の歌も聞けずに霧散する 消えてなくなりたいのでも遠くに行きたいのでもない、ただわたしだけの屋根裏部屋を六次元に開いてください スカートのひらめきとガラス細工のような小指に惹かれてよだれを垂らすわたしは、わたしの好きな君の言葉でも服でも体でもない何かを見出そうとする。 君のコーデもメイクも声も、他者との関係で見せる顔も性格もみんな好きだけど、そのどれでもない君を見い出せたらと思う。 そうしないとわたしは君の肉を食べ尽くし思い出に葬るだろうから。 もちろんそんな事はできない、世界が私達一人ひとりを形作っているのであって、私達一人ひとりが世界を形作ってはいない。 多くの人は互いの心臓で空集合を埋めあっている。 あなたが映す私、私が映すあなた でも、お互いのステータスも性格も、声も体も取り去った虚空を見つめ合うことができたらいいなぁ。 あなたはあなた、私は私
(自分のほんとうの好きはきっと見つかるor見つからない)その先 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1050.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2021-06-23
コメント日時 2021-06-29
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
「僕」と「わたし」はどういう関係なんだろうか?それとも同一人物なんだろうかと考えてしまいました。 なんだかどこか遠くに繋がっているけれどここからじゃどこに繋がっているのかわからない、という印象を受けます。 体が魂の枷であり、同時に魂を感じる器であるというくだりは哲学的であるというか、認識や外部への反応によって自我が存在する、みたいな論と同じようなものなのかな?と思いました。 言葉が柔らかく丁寧で、揺蕩うような、穏やかなかぜに揺れるような読み心地でした。 同時に軽妙な表現もあり、なんとなく話者を身近に感じるところもあります。
0「僕」と「私」については、下書きを書いてるときに自然と混ざってしまったものです。枷に縛れられた「僕」が枷から距離を置く過程であり、つまり同一人物と思っていただければ。 哲学面も含めて仰るとおりです。本当はその先、どこにも繋がってなくても大丈夫なんだ、というのを書きたいのですがまだ書けないので途中までです。 作品の印象を書いていただいてありがとうございます。嬉しいとともにとても勉強になります。
0自分の境界線をどこに引けばいいのか、という点で似た視点をお持ちかもと思いました。ぐちゃぐちゃを整理できるのか、そのままでいいのか、相手の輪郭線がちゃんとあれば分かり合えるのか、そういうことを考えています。
0