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この眼球を割れ!
私は輪郭を喪いつつある。 あかくなる、そして、あさくなる (どうしようもなく、君も私も、ただの人間であったということ) いなくなる、そして、いたくなる (平凡であることが罪であるような世の中で、踠いてる、爪を立てようとしてる、絶たれた指先の、せめて骨だけでも尖っていてと) うずくまる、そして、うすくなる (私は丸くうまれた、まるからまるくうまれたのだ、それなのに、跳ね上がることなく激突した、私は地面と婚約した、翼はトマトのように砕けた) えらばれる、そして、えらくなる (脱落する勇気もなく、臆病はまるで潮の揺らぎのように、満ちて、満ちて、満ちて、引くと露になる私のからだは、ゴミだらけなんだ) おいかける、そして、おしもどされる (偽るために、居続けるために、いつ割るために、生まれましたか?ワンルームの導線はベランダへと繋がる、明日から逃げ出すために玄関から走り出せばやがてベランダ、ベランダへと繋がる、だけど私は未だに死ぬことすらできない、できていない) その役立たずの眼球を割れ 割ってしまえ 私が何も理解できていないように お前も何も理解していない なにかを解っているなら 絶望したふりなんかしていないだろ この役立たずの眼球を割れ 割ってしまえ あなたの言葉は、あの日、確かに飛んだ だから 眼球を割れ この眼球を割れ!
この眼球を割れ! ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1352.1
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2021-06-22
コメント日時 2021-07-06
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
この話者が女の子で、本棚とかを倒しながらこんな独白を目の前でぶちまけられたら、ハグして一緒に泣いちゃいたくなる気持ちになった読後感。わりと好きです。
0ありがとうございます! 実際は30手前の女が辞書片手に書いてるんですが、 それはそれとして嬉しい言葉ありがとうございまして
0眼球を割る、という喩えが、視覚をガラスの器のように思っていらっしゃるのかな、と類推しましたが、そうであるならば もう少し説明があってもいいかなあ、など。少し韻を踏む印象ですが、やるならもっと徹底的だといいかな?
0優しさを希求しているのなって思いました。 言葉とその内実にコントラストを感じます。
0過激な主張のようにも思えるのですが、眼球と言えば眼球譚のバタイユなのですが、自分の体がゴミだらけだと言う内省は、冷静さがあると思います。おそらく文字通りの意味ではなくて、思い通りにいかない自我が世界と対峙しようとする時に起こる世界と対峙するための便法だと思いました。当然役立たずの眼球と言う認識は世界に対するアンチテーゼ、アンチテーゼを突き付ける事によって、世界と対峙したい自我の欲求の素直な発露だと思いました。
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