世界の中にはたとえばジャマイカとか、そんな国がいろいろあって
そのジャマイカの中にも街がある
街には郵便局もあるし水族館もある
野球チームだって何個もある
あるジャマイカ人は反・反革命についての手紙をハイチ人にだすために郵便局に行くかもしれない
水族館の魚は全部深海魚で、その場で食べられるかもしれないし野球チームではスクイズをしたら即死刑になるのかもしれない
わたしはジャマイカについて何も知らない
でもジャマイカにもそれぞれの家にはちゃんとわたしたちと同じ時計があるんだとおもう
あの、チクタクチクタクがあるんだ
故郷の懐かしい時計のおと
それは真夜中の眠れない夜にしか聞こえない
それは実在しないけどちゃんと聞こえる孤独のおと
全世界、全人類のため、すべて孤独の音
時が凍ったまま張り付くような、魂の午前二時にわたしはジャマイカ人のことをおもう
えー、えー、聞こえますか
こちら日本人です
真夜中のジャマイカ人、聞こえますか
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 1849.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 7
作成日時 2021-06-14
コメント日時 2021-07-12
#現代詩
#ビーレビ杯不参加
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 1 | 0 |
前衛性 | 1 | 0 |
可読性 | 1 | 0 |
エンタメ | 1 | 0 |
技巧 | 1 | 0 |
音韻 | 1 | 0 |
構成 | 1 | 0 |
総合ポイント | 7 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 7 | 7 |
閲覧指数:1849.2
2024/11/21 23時27分55秒現在
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ジャマイカは実在する国の一つですが、この作品では異なる法や物理法則が働く国としてイメージされました。ジャパンとジャマイカは語感が似ていますが、時計の音は同じで真夜中に聞こえることと関係があるのかないのか。 えー、えー、聞こえますか こちら日本人です この日本語による呼びかけが夢と現の奇妙な手触り、木霊のような響きがするようでした。
1おもしろいです。 ジャマイカの時計の音なんて考えたことなかったです。 衒わない文体と素直な詩情が響きました。
1冒頭では街や水族館が"ある"と断定されていますが、 それ以降は"かもしれない"になっていて、 "なにも知らない"とするなら、冒頭も"かもしれない"の方が いいんじゃないかと思いました。 また"なにもしらない"割には、 "ハイチ人"という言葉がでてきて、結構知ってる感じがしてしまいます。 またカリブとかレゲエとか、世界的にはまだイメージが湧く方の国で、 なにも知らない、というのはちょっと不自然に感じました。 作品全体が丁寧にオーガナイズされている分、 こういうディテールの部分が若干気になりました。
1たびたびすみません、 ビビって思ったことが言えなかったのですが、 やっぱり追記させてください。 作品自体はとてもよくできていると思うのですが、 綺麗にまとめよう、という感じが出過ぎてる、というか 計算が見え隠れするのが気になりました。 本作は「A だけどじつは B」という論法になっていて、 Bという主題を強調したいがために、 それと相反するAをあえて前半で意識づけをさせておく、という構成で、 本作においては 「ジャマイカについてなにも知らないけど時計(孤独)の音は世界共通である(ことを知っている)」 となります。 しかし、この「ジャマイカについてなにも知らない」というくだりに 前のコメントで書いたような、微妙なディテールのずれがあって、 そのずれている部分に計算が見え隠れするわけです。 作品後半は筆者の心の部分でとても自然にできたものに感じますが、 作品前半は筆者の頭の部分で作られた感じがして、 作品全体を俯瞰すると、微妙にミスマッチを感じました。
1皆様。コメントありがとうございます。感謝です。
1寂しい夜の感じがして、さみしくなっちゃいました。
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