むかしむかし
肌がぴんぴかだったころ
少年がいた
私の中に
その年頃にありがちな
少女の媚の裏に
仄暗い目をした少年は
鈍く虹彩を弾くナイフを
片手にしていた
そのナイフは怒りだった(のかも知れない)
世界に吠えていた(無駄吠えに終わったが)
他者への攻撃性ではなかったように
思うが定かではない(それは祈りにもにている)
よれたTシャツと汚れたジーパンを
履いた少年は、ひとつづつ、すこしずつ
削り取られ、剥ぎ取られた(私の手で)
歳を重ねて行くうちに
(女として生きていく術、ということか)
今でも怒りに苛まれる時にはあの少年の
ナイフを思い出す
彼は未発達のロゴス、
通りすぎた私のアニムス
まだ、彼はあの街角にいる
作品データ
コメント数 : 7
P V 数 : 1203.6
お気に入り数: 1
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ポイント数 : 2
作成日時 2021-06-06
コメント日時 2021-06-13
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項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
閲覧指数:1203.6
2024/11/21 20時01分26秒現在
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テーマは単純ですが書き方が一歩引いていて面白かったです。 若い頃の慟哭を一定の期間の後に書く良さが光ります。
1最終連に、急に街角が出てきて驚きました。差し支えなければ、彼がいま(未だに?)どんな街角にいるのか知りたいと思いました。
沙一さんコメントありがとうございます。 きっとあの頃には書けなかったです、この詩。 今だから、書ける尖り、みたいな感じです。
0白川ロイヨさんコメントありがとうございます。 テーマは誰もが通る思春期みたいな、感じです。 でも、まだ、彼はいる、そんな気がしています。
0常時さんコメントありがとうございます。 どこにでもある私の中の街角、です。 まだ失えていない未熟さ、或いは昇華出来ていない怒り、それが私の中の彼です。 きっと彼は、まだ、いるのだとおもいます。
0自分の中にナイフを持った少年みたいな全てが敵だと思う感情があるの分かります。 大人になるとまあるくなると言いますが、私の中にはまだ少しそんな気持ちが残っている様な気が致しました。
1きょこちさんコメントありがとうございます。 私の中にも、まだ、その少年がいます。 どこかに紛れていますが。 似ていますね。
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