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習作「軌跡」
ただ一心に前へ進む諸君よ 未来は常に自身を影に沈め 惑う諸君をあざ笑っている 諸君の前に確かな道はなく 未来は今日でさえ 不安と不定を保証するのみである 諸君は立ちはだかる闇を前に いつの日か歩みを止めるのだろうか 恐れるな、振り返れ 遥かに伸びるそれを見よ 屈折した光の軌跡を見よ それこそが諸君の足跡であり 自己を証明する全てが希薄な現代でさえ 諸君のすべてを肯定する 迷い、彷徨い、戸惑いながら 道草と迂回を繰り返した果ての 乱反射した光糸 ああ そのなんと素晴らしきことか 諸君よ むしろ誇示せよ いきものすべてが共する軸上に諸君は生きる それぞれが描いた乱雑な光糸は 三次元界で緻密に絡まりあい やがてすべてが結合する さながら無数の縮糸の集合は 未来へ直進する強大な光線である 諸君がどれほど悩み 葛藤し 絶望しても 蛇行した軌跡は より強固に人類史を形作る 諸君よ 悩め 葛藤せよ 絶望せよ 道草は無駄ではない 迂回は惰性ではない これからも諸君は間違いなく 今という地点を駆ける他の人生と結びつき 干渉しあいながら 一本となって未来へ直進していく 諸君が生きる時代にこそ すべては共にある
習作「軌跡」 ポイントセクション
作品データ
コメント数 ： 3
Ｐ Ｖ 数 ： 1178.8
お気に入り数： 0
投票数 ： 1
ポイント数 ： 3
作成日時 2021-05-23
コメント日時 2021-05-27
Ｐ Ｖ 数 ： 1178.8
お気に入り数： 0
投票数 ： 1
ポイント数 ： 3
作成日時 2021-05-23
コメント日時 2021-05-27
#現代詩
| 項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
|---|---|---|
| 叙情性 | 1 | 1 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 1 | 1 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 1 | 1 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合ポイント | 3 | 3 |
| 平均値 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 叙情性 | 1 | 1 |
| 前衛性 | 0 | 0 |
| 可読性 | 1 | 1 |
| エンタメ | 0 | 0 |
| 技巧 | 1 | 1 |
| 音韻 | 0 | 0 |
| 構成 | 0 | 0 |
| 総合 | 3 | 3 |
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- 作品に書かれた推薦文
習作「軌跡」 コメントセクション
コメント数（3）
強い作品ですね。とても力強いです。 なにかスピーチのような雰囲気を感じました。 よく読むと表現として難解な箇所が散見されるけれども 勢いがあるのでなんか分かった気になって 拳を振り上げたくなりました。
0沙一さま、いつもお世話になっております。コメントありがとうございます。 ご推察いただいた2点に関して、まさにその両方がこの作品が当てはまります。 宮沢賢治の『生徒諸君に寄せる』と言う作品に感銘を受け、詩を書き始めた直後に執筆した作品だったと記憶しております。 > 習作という副題が、「軌跡」という語と奇跡的に共鳴しているようにさえ感じられます。 なるほど、と感心してしまった次第です。私自身では全くそのような効果は意識していませんでしたが、コメントをいただいて初めて「この作品はやはり今ある私の作風の起点なのだ」と感じました。 自身を見つめ直す良い契機となりました。鋭い視点ならコメント、いつも勉強させて頂いています。 ありがとうございました。
0白川ロイヨさま、はじめまして。 コメントありがとうございます。 「強い」との評価をいただき、嬉しく思います。 執筆当時の私は上手く拳を振るう術を知らず、本作は拳をただ振り回すだけになってしまっているような印象を私自身は受けています。しかしながら、若気の至りのような凝り固まった作品もまた、今では感慨深いです。 励みになる感想をありがとうございました。
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