手紙 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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手紙    

はじめましてではないけれど、とても嬉しいのではじめましてと挨拶させてください。今、駿河湾のサービスエリアに車を停めてこれを書いています。東京までの道のりはまだ遠い静岡県。静岡に住んでいるあなたのことを思い出しました。今夜は満月、いや満月じゃないかもしれませんがとにかく大きな月がずっとフロントガラスに映っていて、きれいなんで、私は好きな人のことをずっと考えていました。 ごめんなさい、長くなると思います。なんと言いますか、気持ちが落ち着かないので、書いてしまうのです。最後まで読まなくてもぜんぜん大丈夫です。 僕は二十二歳で結婚して二十三歳の時に娘が生まれて、その娘も昨年結婚して独り立ちしました。私は50歳になります。こうやってあなたに手紙を書いていると、好きな人のこと、忘れられるんです。おかしいと思われるでしょうし、既婚でありながら、好きな人がいるなんてこと、不快に感じられてるかもしれません。わかってはいるんですが。ほんとうに僕は狂っているんだと自分でもわかっていて、そうわかっているからとても苦しいのです。自分が老いてきたこと、自分が持っている感情というか、そんな、ぎこちないものが違和感としてずっしりと身体の中にあってとても苦しい。ひとりの女性を一生涯ずっと愛し続けることが出来ない人、そのような人たちが世の中には想像しているよりもはるかに多くいるって最近になって知りました。なんだか少しだけ救われました。自分が他人と違うことが、いや、そんな他人との差異などにこだわってしまう中年オヤジがキモ過ぎだと考えてしまい自己嫌悪になるわけで。このまんま生かされてしまうんだったら一挙によぼよぼのじいさんになってしまい誰かを好きになる気持ちとかそんなもの失ってしまえばいいのにって考えてしまう。 とにもかくにも僕はいつも恋をしています。青葉市子が歌ってるサーカスナイトを最近好きになって聴いています。今も車中でずっと聴いています。「一生分のことを変えてしまいたいよ」って歌詞が、堪えられなくなります。   長々と自分のことばかり書いてしまったけれど、博愛主義者さんはその後、どうしていますか。学校なんて行かなくてもいいと僕なんかは思うんだけれども、好きな人とか、そんな人が出来るといいのに、なんて思う。好きな人が博愛主義者さんに、もしも出来たなら、もっと眠れなくなるかもしれない。眠れなくなっても、そう悪くはない。博愛主義者さんがうざくて殺してやりたいお父さんにさえ、新しすぎてたまらない、おはようが言えるような気がする。好きな人にだったら、伝えたいこと、伝えたくなるだろうし。君が僕に話てくれたようなこと。宮沢賢治の雨ニモマケズは他人に朗読して聞かせるもんじゃないとか、人は万年筆と紙を使って交信するべきなんだとか、梶井基次郎をキジロウって読むなとか、、あー「檸檬」は面白かったよ。あれはさ、なんだろうな。主人公のあの乱れかたが好きだなあ。「檸檬」はよいね。 で、君は聴いてくれたのかな。チャットで送ったやつ、「凡骨の夏」。まあ、君には、わからないだろうなあ。。 ああいう歌を書きたい。おバカなまんまでいいし。どこでもない、どこにでもある、あるかもしれない風景を書きたい。 君がみつけてくれたことがとても嬉しかった。賢い君が書く素敵な言葉の隅っこで僕も詩を書き続けたい。 とても耐えられない友人達のこと、わからないところもあるけれど、よくわかんないところもあるけど、わかる。うん。 みんなが線引きをして、あなたは悪い人だ、あんたは醜いやつだとか、あんたは声が小さいから誰もきいてなんていないし正しくないよとか、そんなこと言われたら僕も泣いてしまう。 中学生の君宛てに初めて手紙を書いた。勧めてくれたラミーの万年筆の使い心地がとてもいい。 こんなことを書いてしまってるのは、満月みたいで満月じゃないような月のそれのせいだねと、下手糞な詩みたいなことを最後に書いて筆を置きます。 あなたの学校生活が楽しい毎日でありますように。博愛主義者さんこと水野サキさん、僕を見つけてくれてありがとう。 ••••••••••••• おぢさんへ お前、あいも変わらずばかだな 途中まで良い書きしてたのに。 凡骨の夏、きいた。 おぢさんに愛人がいようがいまいが どうでもいい おぢさん、詩を書けよ ちゃんと詩を書け 好きな人?は? おぢさんしねよ 学校は行き出すかもね 手紙また送ってください またチャットするかもしんない あ アラベスクの飾り文字の問題 ちゃんと回答しろ 博愛主義者



手紙 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 14
P V 数 : 1977.6
お気に入り数: 2
投票数   : 0
ポイント数 : 15

作成日時 2021-05-21
コメント日時 2021-05-27
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/06現在)投稿後10日間
叙情性55
前衛性00
可読性33
エンタメ11
技巧11
音韻00
構成55
総合ポイント1515
 平均値  中央値 
叙情性2.52.5
前衛性00
可読性1.51.5
 エンタメ0.50.5
技巧0.50.5
音韻00
構成2.52.5
総合7.57.5
閲覧指数:1977.6
2025/04/06 19時45分07秒現在
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    作品に書かれた推薦文

手紙 コメントセクション

コメント数(14)
白犬
作品へ
(2021-05-21)

おぢさん、良いよ。1番のりでこめしたい位には、ぐっと来たかな。

0
三浦果実
白犬さんへ
(2021-05-21)

おねいちゃん こんなんが ヒットするんやったんか ほな もうすこし はやめに気がついたら おねいちゃんと 一緒になれたのになあ ざんねんやなあ 人生そんなもやで

0
湯煙
三浦果実さんへ
(2021-05-21)

この作品は既視感がある。たしか三浦果実という名で投稿されていた。 世代間の意識の相違が丸出しの文体であり、手紙というアナログの手触りを持つ形式のなかでラインメールのチャットあたりが採用されている入れ子の構造があり、ふざけているかのような小噺みたいな日常雑感の散文作品。この落差にパオジーを感じるか感じないかを問うている。

2
三浦果実
湯煙さんへ
(2021-05-21)

おぬし めっちゃ既視感ある 三浦果実て人が 子を持つ女性から こんなおぢさんと JCの関係 ホントだったら はっきりいって こわいって クレーム つけられてた 気がする パオーン

0
白犬
三浦果実さんへ
(2021-05-21)

ごめん、完落ちするまではイかなかったから、おぢさんと一緒にはなれんwでも、良いな、判るなとは思ったから、おぢさんと友達にはなれるかも。昔に書いた作品なのか。読むたいみんぐもありますよね。何処が良かったのか考えたけど、巧さや詩情の有無のようなものももちろん詩の評価にはあると思うけど、この作品の場合、作者の滑稽な程の真剣さ、丸出し感が良いのかなと思った。やっぱり、どんなに巧い作品でも、作者の生、命が乗ら無いと面白く無いと私は思う。この作品からは多少なりともそれを感じた。もしかしたら、私が作者のばっくぼーんをある程度知ってしまって居る、いわゆる内輪のりかもしれないし、私の気分とたまたま合致しただけの誤読かもしれないが。でも、いつかおぢさんもイけるような詩を私も頑張って書くから、まだまだ遊ぼうな、詩で♥おぢさん誰だか知らないけどwじゃ、またね。

1
ライ麦
ライ麦
作品へ
(2021-05-22)

年取らないとわからない作品なんでしょうか。長すぎて読み通す気が起きなかったです。導入も退屈です

2
白犬
ライ麦さんへ
(2021-05-22)

らい麦さんの最新作読んでみたけど、全然この作品越えて無くね?いちゃもんつけるなら、自分はそれを越えるもん書かんと格好つかん。後、自分が読め無いのを年齢のせいにするの良く無いと思う。せめて、退屈でも最後まで読み通してから判断とこめしたら?

1
三浦果実
白犬さんへ
(2021-05-22)

いや ライ麦さんは 素晴らしい感受性を おもちなので ライ麦さんは よいコメントを されていて やいんじゃないかなあ

1
三浦果実
ライ麦さんへ
(2021-05-22)

年齢は関係なくてね ライ麦さんが 他人と どうするか じゃないかなあ ↑これくらいの レスは 読める方かと 想像してます

0
エイクピア
作品へ
(2021-05-22)

うーん考えさせられました。これは本当の甥叔父関係だろうかと。おぢさんと旧字体ですし。しかし綽名とは言え博愛主義者さんとは、この呼び方にイラついて居るのかと推察します。既婚なのに好きな人が居るとは、これは男を装った女性の散文詩かもしれないと思いました。ひとりの女性。中年オヤジ。登校拒否者の甥っ子に話しかけて居るのでしょうか。好きな子は居るのとか、自分のうざい気持ちを隠して話しかければそりゃウザがられるでしょう。でも殺してやりたいお父さんとは過激なフレーズだと思いました。むしろ夏目漱石を思い出しました。末っ子でしたし、幼いころに塩原家に養子に出されていたので。とても耐えられない友人たちの事。これは常識的な内容の範疇ではないでしょうか。甥っ子もこれには満腔の賛同をして心の中で快哉を叫んで、もっと言いなさいと思っているのかもしれません。

0
三浦果実
エイクピアさんへ
(2021-05-23)

コメント あ り が と う ご ざ い ま す この作品の前半は、 こちらの作品でのコメント返しで書いたものになります。 https://www.breview.org/keijiban/?id=3991 それが素材となっておりますので、これは人様に読んで欲しい物語としては書いておらず、自分の気持ちを抑えるために書いてしまったもので。 これを人様に読んでいただくにあたり、博愛主義者という、女子中学生のキャラクターを宛先設定しました。リアルにあったこと、そのまま書いても美しさがあるので自分的には美しい人生送れていると、自分で書いて自分で読んで自分で楽しんでおります。

0
鱗子(揶白)
作品へ
(2021-05-27)

スタイルを、とても面白く読ませて頂きました。 夢が有り、黒い現実が有り、イズムの知識人的な感じも、著者の年齢なのかノスタルジーが増して 「死ねよ」と言う言葉も優しく聞こえる。 年齢が増すのはとても良いことです。お能では50が花で、これから極めて行くところなんだとか。 私は35なので甘いですがそのところ、詩のボケを補正する眼力が有ります。大きく言って精神神秘的なクラスメイトとして、注意だけはできます。色々判ってくるのはこれからです。と、詩の主人公に声をかけたくなりました。

0
鱗子(揶白)
作品へ
(2021-05-27)

追記 (自分の能力について)色々判ってくるのはこれからです。

0
三浦果実
鱗子(揶白)さんへ
(2021-05-27)

あ(╹◡╹) り(╹◡╹) が(╹◡╹) と(╹◡╹) う(╹◡╹) でもね すきな人はたいてい てのうちから離れて んこみたいに まほうみたく さまよっては んこみたいに またわたしを ただよごして ねむたいまま幻にきえる

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投稿作品数: 2