言葉は骨のようで確かにそこにある
種の意味を帯びて磁気のように吸着した
万年筆のさき崖っぷちを歩く言葉は骨だ
ろうか、日記を記している今日を終えて
去年の今日の日付けをひらいてみると
なんと、僕はうどんを手打ちにしていた
今日も、僕はうどんを手打ちにしていた
何度も何度もうどんを手打ちにしていた
言葉は骨のようで僕の骨のようで
メートル法が日本で尺取りより馴染んで
いるように僕の歩幅で歩測するより確か
に僕はうどんを手にしていた、うどんを
手打ちにしていました、とひとことの化石が
補足もなく、細い万年筆の先から、インクが
したたる、てんてん、と南天の実を君と
すり潰したのはあれはいつの事で
うどんが手打ちにされた前か後か
記憶と言葉が堆積されて、化石している
嵐山モンキーパークの化石?
三年前を右に曲がって
坂を登ったさきには別れしか
ないですがよろしいですか
雨ですか? 傘はあいにく骨が折れてまして
うどんでもいかがですか、手打ちにしたんですよ
えぇ、蕎麦屋ですよ
だからうどんを手打ちにしてやったんです
骨が折れました
今日はうどんで手打ち、に
しましたと一行書いてある
蕎麦屋のうどんはあいにくの雨で湿気って
紫陽花はカビッポいから日記を閉じたと綴り
うどんを啜り言葉は骨のようでと呟きながら
とりあえずうどんと手打ちした言葉は
コシはあるのに骨はない、お陰で胃にもたれない
作品データ
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作成日時 2021-05-05
コメント日時 2021-05-06
#現代詩
#縦書き
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2024/11/23 18時51分04秒現在
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古書の魔除けのいい匂いがします。ばくばく食べます。時間、天候、ばっちりで可笑しくて幸せな気分になれました。ありがとう、お蕎麦屋さん。
0あなたにとっていい味加減であったなら良かったです。手打ち蕎麦本格と書かれた店で食べたタヌキうどん、美味かったんですよ。
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