フレームだけを残してフロンティアが
朽ちている、錆びたフレームを隠すように
蔦が這い、忘れられた、いろかたち
老人が指差す、そこが境目だと
フロンティアがあったと、かつての
開拓地を指したのか、そんな車が
あったのだと言いたかったのか
誰かの空間を越境して切り取り
誰のものでもない空間に線引きして
切り取り、所有する、足跡たち
境目に足を踏み出したとき、の
境目を線引きしたとき、の
フロンティアのいろかたちを
人びとは覚えているのか
その歴史を、その物語を
境目のフロンティアが朽ちていく
フレームすら緑にのみこまれ
忘れられていく、いろかたち
木洩れ陽に陰と混ざり合い
誰のものでもなかった時間を
おもいだしている空間の、夢うつつ
作品データ
コメント数 : 8
P V 数 : 1429.4
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 2
作成日時 2021-03-16
コメント日時 2021-03-21
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 2 | 2 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 2 | 2 |
閲覧指数:1429.4
2024/11/21 22時53分37秒現在
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「フロンティア」という言葉が強く心に響きます。単純に国境地方を思い浮かべますが、私の住む地方が国境でした。それはさておき物悲しさと力強さを同時に感じる詩です。
0新しく何か書いてみようとしましたが、書いた言葉が言葉以上のものを醸し出せませんでした。むずかしいものです。
0個人的には、二連目が好きです。 >老人が指差す、そこが境目だと >フロンティアがあったと、かつての >開拓地を指したのか、そんな車が >あったのだと言いたかったのか 老人の「フロンティアがあった」という言葉に対して その言葉の意味を老人に聞かずに、しずかにただただ 話を聞きながら 朽ちつつある枠をみている感じが、好きです。この姿勢がたぶん 傾聴てことなのだろうなあ。と、思いました。 開拓者の 線が縁に かわりゆき 木漏れ日落ちて なお大地あり (なんちゃって)
0フロンティアと言うと真っ先にアメリカ合衆国を思い出すのですが、現在ではフロンティアは消滅したと言われ、だからケネディーのニューフロンティアと言う政策は目新しかったのかもしれません。この詩ではフロンティア、ボーダー、フレーム、人びと、老人など、最小限のキータームで状況が切り取られ、場所、時間が巧みに切り取られていたのではないかと思いました。
0若いころの情熱が色あせ萎びていくそのあきらめのなかに身もだえる焦りを感じました。
0諸行無常なのかなんなのか。ぼんやりと物事やひとの話しに耳を傾ける時間もいいものですね。
0確かにフロンティアといえばアメリカ。 時間や場所、フロンティアは誰かが足を踏み入れた瞬間に消えてしまう幻想なのかもしれないですね。でも必要な希望?そんなことを考えました。
0何事も色褪せていくものですね。侘びとか寂びとかにシフトしていく心境が必要なんですかね
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