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日付の無い日記
【全国無責任時代】 私はこの日、ガガガSPを久しぶりに聞いた。この全国無責任時代と言う曲はケロロ軍曹のOPで使われた曲であり、得意な事で失敗しても無責任、考えないでパーっとやればいいことあるでしょ!という無責任だけど背中を押してくれるような応援ソングなので私は好きだ。そういえば最近、何かにつけ自己責任という言葉をよく聞くようになったなぁ。「好きな事をして生きよう」ってキャッチコピーみたいなのが出て来た頃からな気もする。個性を大事にして生きましょう、みたいな社会の流れがそうさせているのかも知れない。これから頑張ろう、挑戦しようという人に対しても「応援しているよ、頑張れよ」って言わずに「まぁ~失敗しても自己責任、好きにやりなよ」って言っている人を見た時、それは応援しているのか?って気持ちになった。何だか私にはとても冷たく突き放した言葉に聞こえた。いや確かに自分が何を選択して、決断して、どう動いで、どうなっちゃうかは自分の責任だし、関係の無い自分に失敗した人の不幸が降り注ぐのはごめんだと思う。でもそうやって何かにつけ自己責任だからで片づけてしまうのは余りにも全ての事柄に無責任な気がした。個性が大事、好きに生きろな世の中で自分への責任が重く圧し掛かりやすくなって、余裕がなくなってしまっているのかも知れない。連帯責任というと言葉がこれも重い気がするけど、なんでも一人にリスクとかを背負わせずに、ちょっとでも良いからリスクを分散するような事をしてあげれば、もう少し生きやすくなるし頑張れる気がする。寂しい思いをする人も減るのかも知れない。家事だって母親にばかり任せて、母親が体調崩した時にそれはお前の自己責任だみたいなのはおかしいよね。自分たちが丸投げしてるから、責任を押し付けて頑張らせているからなんだよね。だから私は、そうならんように掃除も茶碗洗いも頑張るのだ。 【水に流したいトイレットペーパー】 ある日の出来事、お父さんは晩御飯の時にこう言ったのだ。「…なんか、面白いトイレットペーパーってないんかな?尻を拭くのが楽しくなる奴…」と。お父さんは健康系の会社に勤めており、なんか良いトイレットペーパーを作りたいよね~って会社の話からこの発想に至っている。お母さんは「おもしろトイレットペーパーって聞いたことあるけど、なんか印刷の関係で品質悪くなるんじゃないの?私、そんなのよりもちゃんとしたお尻に優しいものを作って欲しいなぁ」と言った。ごもっともだ。でも、お父さんはなんか面白いトイレットペーパーを作りてぇの考えから離れなかった。それから数か月たった時に「あんな、会社でトイレットペーパーを作る方向に話が進んでんねん。水に流したいトイレットペーパーを作りたいなと思っとる。」最初に聞いた時、水に流したいトイレットペーパーってなんやねんと思ったが、どうやら水に流す(慣用句)と掛けているらしい。水に流したい出来事を募集して、それを印刷して販売する事で「ああ、こんな事をしちゃった奴もいるのか…俺はまだ大した事ないな!」となってもらい、同時に供養するのが目的らしい。需要があるのか分からないけど個人的にちょっと面白いと思ったので楽しみにしていた。更に数か月が過ぎて、トイレットペーパーの製作を中止した事を教えられた。やっぱりお母さんの言う通り面白系は印刷の問題で品質が悪くなるらしい。それは健康を扱う会社的には冷静に考えておかしいとなったそうだ。それと水に流したい話を募集した時に、数が少なかった。まぁ…匿名とはいえ全国に曝されるわけだし言いたくないのだと思う。そして、数少ない来た内容が水に流すってよりは墓場に持っていく話が多かったので、これは形に出来ないとなったらしい。お尻を拭いたトイレットペーパーを水に流せず墓場に持っていく姿を想像した時に笑った。 【すき屋で不倫を終わらせる。】 夜遅くまで働いてしまった。8時半に職場に着いて働いて、22時半に仕事が終わって、23時にすき屋でご飯を食べているのだろう。どうして今日はこんな事になってしまったのだろう。考えたって仕方が無い。私が取りあえず頑張れる所まで頑張れば、皆も私も楽になる筈だ。そんな風に思いながらボーっとメニューを眺めているとテーブル席にいる20代の女性と40代の男性が深刻な顔をしていた。私みたいに仕事で疲れているのだろうか?いや、マジで深刻な顔だ。すき屋でする様な顔じゃない。すき屋は仕事とかで疲れた顔で入店はオッケーだけど、ちょっとNGな顔をしている。2人の間に会話は無く、何かを言いたいんだけど切り出せない、言ってしまったら変わってしまう。そんな緊張感とドロドロしたものが立ち込めていた。店内では相変わらずオレンジレンジの花、ボサノババージョンが流れていた。ミスチルのジャズバージョンもあったんだけどタイミング的に最近は聞いていないな。私が入るよりもだいぶ前からそうしているのだろう。気まずい顔をしながら店員さんは「お客様、すみません。長い時間メニューの方を頼まれないようでしたら…」と言うと、「じゃあ…牛丼…並盛…それでいい?ああ、そう…じゃあ、二つで…お願いします。」と注文していた。牛丼を頼んで食べるテンションじゃない!なんだろう…と意識がすっかりそっちに行ってしまった。そして牛丼の並盛が二つ置かれて、お骨を拾うかのようにチョビチョビと食べながら女性の方から切り出した。「ねぇ…私達、今日で終わりにしよう…こんな関係、互いの家族にとって良くないよ…。」推察するに、不倫だ…こいつらは不倫関係で、罪悪感を感じた女性が終わりを告げている場面に私は遭遇している最中だ!USENは平井堅の瞳を閉じて、ピアノバージョンが流れていた。しかもサビ。2人にとってなんともミスマッチな選曲だ。でも歌詞の通り、それしか出来ないのだろう。店員さんも奥で世間話をしていたのに黙り込んでしまった。そりゃそうだろうね。すき屋で話す内容じゃない。「どうしてだよ…お前から好きだっていったんだぞ…?」「…ごめんなさい…ごめんなさい…」二人には場所なんて関係ないのだ。ドラマみたいな会話が繰り広げられていく。私には縁のない話だ…。興味はあるけど余計に疲れてしまいそうだと思った私は、人生になんの影響もない高菜明太マヨ牛丼を浮気して注文。ガツガツと食べた後に勢いよく店を出た。 【謎の薬】 休日、たまたま病院の近くに用があり歩いていると通院している患者さんが私に声を掛けて来た。「あなた、とても大変そうね。これ、ちょっとばかりだけど辛い時に使って…元気になるから。」とタッパに入った薬を渡された。私はこの患者を申し訳ないが知らないけど、私はガラガラ声で長身だからそれで覚えられたのだろうな。それはさて置き、何の薬か分からないので貰えないとやんわりと断っていると、段々と自分を責める方向に行ってしまった。すんごい迷ったが貰う事にした。途中で捨ててしまっても良かったのだが、家に持ち帰ってしまった。あーどうしよっかなぁ~と思っている時、心の悪魔が囁いた。「なぁ…こいつを飲んじまえよ。きっとめっちゃ効く抗鬱剤だ!」心の天使はそれに対して「あなたは最近疲れている…癒されたって良いのよ!」私の心は止まらなかった。好奇心、精神の疲れ、血迷いが謎の錠剤を口に運ばせた。私はベッドで仰向けになっていると、ボワーっという耳鳴りがするようになった。そして景色は水分が入って行く透明な水風船の如く膨張しだした。(なんだこれ?あの野郎…やばい薬を渡しやがったな?)と考えている内に、段々と上の方から真っ暗になっていった。そして視界が暗闇に包まれた時、身体はズーンと沈んでいくんだけど、同時に何かが空に向かって引き離される感じを体験した。恐らく精神だと思われる。(ああ…私は、どこまで沈んで、どこまで浮いて行くのだろう)と考えていると、真ん中に小さな丸い光が見えた。そこにはスーツを来た津川雅彦がいた。かなり遠くから話し掛けるが、まるで近くで話し掛けられているように聞こえる。「おう!どうした?」と気さくな感じだが、こっちがどうしたと思った。「私は色んな事に疲れている。患者さんにも心配されるくらいに疲れているらしいのです。どうしたら良いのでしょうか?」と話し掛ける。津川雅彦は存在しないはずの長い顎鬚を触る様な仕草をしながら「君は、1人だろ?」と答えた。「独身ですね…。」と答える。「違う、そうじゃない!役が1人だろうって事だよ。」ピンと来ていない私に続けて言う。「最近の人達が心を病んでしまうのは、情報の過多に伴う人間関係の複雑さもあると思うが、役が1人だからと私はぁ~思う!仕事をしている自分、家にいる自分も全部を1役だけでやっているから、1役で演じているから疲れてしまうんだな!役者を増やすんだ!そうすれば~、仕事をしている君は大変かもしれない!だけど家にいる君は疲れない!自分を分裂させることが生き易さに繋がるんだ。1役だけに全てを演じさせるな。」その言葉を聞いた瞬間、眩しい光に包まれて私は飛び起きた。いつの間にか夕方になっていた。「自分の中に役を増やせか…ありがとう、津川さん。」そう思いながら私は晩御飯を食べたが、感覚が鈍化していたのでなんの味もしなかった。
日付の無い日記 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1040.1
お気に入り数: 2
投票数 : 1
ポイント数 : 37
作成日時 2021-03-05
コメント日時 2021-03-07
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 10 | 10 |
エンタメ | 20 | 20 |
技巧 | 4 | 4 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 37 | 37 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0.5 | 0.5 |
前衛性 | 0.5 | 0.5 |
可読性 | 5 | 5 |
エンタメ | 10 | 10 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0.5 | 0.5 |
総合 | 18.5 | 18.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
お読みいただきありがとうございます。順番とか全く考えないで選び投稿したので、来月かコメント数が20作を行くなら、3作目でやってみます。
0ありがとうございます。でも、ノートに書いてる日記を選んでそのまんま載せただけなんで、まぁ…こんなもんだと思います。なんか長文を載せてぇ欲を満たしたくて投稿しました。 最近、青春パンクな詩ばかりをやってる人がいるので、その辺に感銘を受けたのもやりたいなーって考えています。
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