祈り - B-REVIEW
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祈り    

実存の 針は振り子のように さゆうに さゆうに 揺れる。 三回叩きました、扉を。 未だに答えは返らず。 君は蝶々のように死んでいるね。 問いかける側の人生を選びました。 選んだ、というのは正しくない。 (少なくとも、主観は) けれど私はそれ以上の言葉を見つけることができない。 海が 生者を沈ませて、 死者を浮かばせると気づいたのは14才の頃です。 多感さはヴァギナより性的、とは知らず 目を細めている、お腹を抱き締めて。 右手と、左手でしか 子宮を守る術を知らないのです。 実存の針は振り子のように左右に、左右に揺れるもの。 地底から降ってきた祈りを掴まえに 君は空へと沈んでいった。 グシャ、グシャよ、君は。 問いかける側の人生を選びました。 天使になれなかった君の しみったれた鱗粉、しね!選ばない。 丸まったからだのぶよつき、 これは蛇腹、切り取り線に従って分断しましょう。 這いつくばる、這いつくばっている間、私は あなたたちを嫌いでいられますから。 言葉が、最初に、さよならを言った。 君は笑ってる。 実存の針は振り子のようにさゆうに さゆうに 揺れるものだ、と 君は蝶々のように死んでいる。 未だに答えは返らず。


祈り ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 7
P V 数 : 1268.7
お気に入り数: 1
投票数   : 1
ポイント数 : 4

作成日時 2021-02-22
コメント日時 2021-03-07
#現代詩
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
叙情性11
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧33
音韻00
構成00
総合ポイント44
 平均値  中央値 
叙情性0.50.5
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧1.51.5
音韻00
構成00
総合22
閲覧指数:1268.7
2025/04/10 05時07分23秒現在
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    作品に書かれた推薦文

祈り コメントセクション

コメント数(7)
楽子
楽子
作品へ
(2021-02-22)

なるほど。 文体よりも響きを重視しがちなので、 そこは考えが足りないのやもしれませんね。 こう 固めの発話をしたい瞬間と やわめの言葉で留めたい瞬間と それぞれがどうも合わさらず。 またお時間ありましたらお話を聞かせてくださいね。 (その際は是非、sageで)

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福まる
福まる
作品へ
(2021-02-22)

想像するに水死体についての詩だと思いますが、ひどい有様の死体を見たことがないのでこれも想像するしか無いのですが「私」は「君」を特別に思っていて「あなたたち」を嫌っているなぜなら、助けようと思えば助けられたのに助けなかっただから「あなたたち」を憎んでいるそう思いました。

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楽子
楽子
さんへ
(2021-02-23)

返信をつけるのを忘れておりました。 実存とは何か、については、 ボーヴォワール、ひいてはサルトルは「本質に先立つ」「ある、ではなく、なる」と言いますが、 ここでは単に実在と言い換えても良いのですが、 実際に存在しうること、その保証くらいの意味合いですね。 振り子のようにさゆうに揺れるもの、が 一番尊く思うのですね。 時に右手が近く、時に左手に強く あなたの傍にあるとき、 私の傍にないような。 一定の実存、安定、固定された感覚というのは例えばそれひとつで詩にできると言いますが、 実はそれひとつを問うた詩なのです。 つまらない種明かしをしなければご期待に添えない実力を恥ずかしく思いますね。

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楽子
楽子
福まるさんへ
(2021-02-23)

面白い見方のように思いました。 福まるさまは他の方への解釈を見ても、言葉の元通りの見方を大切にされていて、読んでいてなるほどと思うことがあります。 水死体は、うさぎのものを見たことがあります。 そのときの「あなたたち」への憎しみを思い出しました。ありがとうございます。

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yasu.na
作品へ
(2021-02-23)

 作者名が伏せられていますが、いい詩を書きますね。  生者が沈み、死者が浮かぶ。  祈りが地底から降ってきて、空へと君が沈んでゆく。  言葉が最初に、さよならを言う。  この逆さまの感覚。  定まらぬ実存、選ばずして、でも確かにある主観。  問いかけても、答えは返ってこない。  この感覚を肉づけする性的な記述、蝶々の死骸への喩託。  いい詩だと思います。

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楽子
楽子
yasu.naさんへ
(2021-03-07)

お褒めの言葉ありがとうございます。 実存や主観というのは宙に浮いているのに、 性的な部分というのは、 楔のように体の真ん中に撃ち込まれていて、 そこがとても不思議なんですよね。

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楽子
楽子
さんへ
(2021-03-07)

ABさんのおっしゃりたいこと、とても解るんですよ。 どうしようもなく抑えられない怒り、違和感、異質感、というのが、 別にそれを引用する必要のない詩にも浸食してしまいがちで、 それを理性で抑制しようとしながら、 結局できていないんだろうなあと。

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投稿作品数: 1