寒い時期は 使った食器をためて
ある程度たまったらどちらかが洗うという暗黙の了解があった
そんな中、姉から突然の通告
「働いていないのなら お皿をためずにすぐに洗ってください。」
弟の独白
たしかに 僕は 働いていない
情勢が どうであれ それはゆるぎない事実だ
あなたは 働いている
それもまた ゆるぎない事実だ
なるほど 言いたいことは わかるような気がする
なんで わかるような気が するのだろう
あなたのなかには きっと
働いていない者が家事をする という認識があるんだ
なるほど 一方が働いていて(金を稼いでいる) 他方が働いていない(金を稼いでいない)
そんな場合は 働いていない者が家事をする
自然な流れのように思われるし
そのような形をとる家庭は多いだろう
なるほど 私たちが夫婦であるならば
さながら 僕は専業主夫
働いていて 忙しい あなたの分も
お皿を洗うのが 一般的なのかもしれません
でも よく考えてみると
あなたは私を養っているわけではない
光熱費や食費は 折半しています
あなたが多く出しているなんてこともない
働いていない者が家事をする前提には
あなたが僕を養う必要が最低限あると思う
そもそも 働いていれば皿をためてよいというのも 不思議な話だ
あなたは 勝手に働いているのに過ぎないのだから
僕にそれを押し付けるのは なんだかずるい話に聞こえる
などと 考えを巡らせたが 結局お互いめんどうくさいのだろうかと
洗い終わった食器を 眺めながら ふと思うのです
作品データ
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作成日時 2021-02-19
コメント日時 2021-02-20
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
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2024/11/21 22時37分13秒現在
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閲覧ありがとうございます。 緊急事態宣言下いかがお過ごしでしょうか。 ひねくれた弟です。大学生姉弟をどうぞよろしくお願いいたします。
0食器洗いでここまで想像を膨らませる事ができるなんて凄いです。私も想像してみます。「姉」はお皿をためずに洗うよう通告しました。「弟」はそれに反感を持っています。なぜなら光熱費や食費は折半しているからです。ですが私はこう思いました。恐らく「姉は」仕事が忙しくて家事をする余裕がなかったのではないかと、ですから「お皿をためずに」洗ってほしいと言ったのだと思います。決してやらない訳ではありません。あと、家事は出来ればためずにやった方が疲れないと思います。以上私の想像でした。
0コメントありがとうございます。 姉の心情についての考察、全くその通りだと思いました。やらない訳ではないのも承知の上です。 今回私が反感を持ったのは理由づけの部分に他なりません。貯めずに洗ってくれと言われればすぐに洗います。 福まる氏がおっしゃるように「できれば」やった方がいいのは間違いありません。しかしその「できれば」が問題なのです。 仕事をしていることが「できない」理由になり得るのが問題なのです。 あまり使いたくない表現ですが一般的に妻が家事をするという認識は、夫が働いて金を稼いできている前提で成り立ちます。夫が家事をしない理由の最たるものが働いて疲れているからなのでしょう。しかし昨今の女性の社会進出から、この認識は改められる必要があると思ったので、投稿に至った次第です。
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