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0909
4時、多分夕暮れが蒼く染まる。 哀を愛と誤り 藍と青の境界 夕景が蒼いのは世界の終わりの知らせ。 屋上でそう云った二人が墜ちる刹那は新聞38面に収まる 1面にリーグ優勝 39面にパンデミックの知らせ 救いのない報道 救いようのない人生 牛の眠りを忘れれば 前も後もなくして横転事故 這い出るのは人か炎か 体温が凍結した僕らは熱を求めて。 壊れた柱時計の針に絡みつく仮名の髪 SNSそれともSOS 匿名の叫びに救急車は来ない クランベリーの潰れた道 柘榴が乱れた街 赤に茜が重なり、ガキは餓鬼に変換される下校時刻 狂ってもいない電波に喚く 狂っている制服と自転車 群れる羊 血塗れの牧場 餌にフレア 気の触れたエクレア ほら皆17歳で消費期限切れだ チョコレートは夏も冬も狂いがち 溶けて 白く凝固して ビターもミルクも意味を無くして 君の指先は虚無に溺れる 麦酒の表面 ジンの裏面 ピンポン跳ねる人生のラリー パーマを失敗した琥珀色の彼女 透明人間の狂った彼 ねぇ、君がナイフを持っているか否かを唐突に問えばAlc.は40を越えるから病院に行かなくちゃ。 無職に職質 無言の遺言 手向ける花は造花のみで 親族の飲み会で気まずいのは私だけ 開店前から満席の酒場、少女が無邪気に頼む鴉の目玉、少年の悪戯で割れるステンドグラス、刻まれる色彩に見惚れていたら、いつの間にか色を喪っていた。 それが悲劇か或は喜劇か。 問う君を硝子越しに凝視する鴉の群れと暗い黒い太陽
0909 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 790.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-09-09
コメント日時 2017-09-26
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
暗喩のみで綴られていることや、蒼から藍に始まり黒に終わる色相の変化が印象に残ります。 SNS/SOS。助けてと言おうとレスキューされない。火事だ!と叫べば皆が振り向く、そうした台詞をモーガン・フリーマンがセブンのなかで吐いていたのを思い出させたりしました。また、ガキは餓鬼にではかくれんぼの鬼が想起されるよう。 二連は酩酊が回った状態なんでしょうか。語りにおかしみようなものも感じられました。
0湯煙さま コメントありがとうございます。 暗喩や色相の変化に評価頂けて嬉しいです。 現実に視た平常な光景を如何に歪めるか、或いは夢現に変換するかというのも自分の創作パターンの一つで、そうした作品に出来たらと思い書きました。 セブンは、モーガン・フリーマンの台詞における、人間の倫理観の死や生来持っている闇を暴きだすかのような引用も含めた言葉が印象的です。私自身、セブンは好きな映画なので、もしかしたらこの作品にも表れたのかもしれません。 二連目は酩酊が回りに回って、眩い朝が容赦なくやってきたことへの諦観もあると思います。 憂鬱や不条理は度が過ぎるとおかしみや黒い笑いに変化すると思いますので。
00909・・・これは、なんと読むのでしょう。ぜろきゅーぜろきゅー? 作品全体を読み終えてから戻ると、れいきゅうれいきゅう・・・霊柩、にも聞こえるような気がしました。 湯煙さんも述べておられるけれども・・・4時(予示?)から、青、ではなく蒼(と感じられる空の色)、哀、愛、藍・・・の空色から、赤、茜の夕焼のイメージを経て、黒、のイメージへの変化が印象に残りました。(といっても、皆既日食のように反転された、黒い太陽、のイメージですが) 〈壊れた柱時計の針に絡みつく仮名の髪〉など鮮烈なイメージは、それだけで一枚の絵になりそうです。 他方、〈救いのない報道 救いようのない人生〉〈SNSそれともSOS /匿名の叫びに救急車は来ない〉〈ガキは餓鬼に変換される〉などの表現からは、SNS画像やテキストが無数の・・・空飛ぶ盾のような・・・壁に阻まれて、個人がなまの交流をシャットアウトされているような、そんな閉塞感に満ちた現代の世相、ムードを描き出しているようにも思いました。 〈狂ってもいない電波に喚く 狂っている制服と自転車 群れる羊 血塗れの牧場〉 このあたりは、先に制服が出てくることもあり、牧場=生徒を閉じ込めておく場所、というニュアンスが沸き起こる。おとなしく先生の言う事を聴き、規律に従う〈羊〉と、従わない者が血まみれになる、牧場・・・学校、という場所。〈ほら皆17歳で消費期限切れだ〉このあたりの焦燥感と疾走感は、まさに高校生ならでは、といった年齢層を感じさせます(作者がその年齢かどうかはわかりませんが、その当時の心境で書いている、という気がしました) 〈君の指先は虚無に溺れる〉 〈問う君を硝子越しに凝視する鴉の群れと暗い黒い太陽〉 いずれも、君、で締める終行。カッコよく、バシッと決めたい、そんな意欲を感じると共に、虚無、黒い太陽、といった言葉の強さに倚りかかると、作品が「食われてしまう」のではないか、という懸念も感じます。 勢いやリズムが、面白い作品でした。
0読み方は(ぜろきゅーぜろきゅー)です。9月9日に視た生の景色をぶっ壊れた脳内で言語化した作品なので。 イメージというよりも、現実に(見せつけられた)光景っていう感じだと思います。網膜をシールみたいに埃まみれなネットのシートに貼るみたいな。 現代の世相、現実を描いたつもりなので、そう云って頂けるのは嬉しいです。 因みに作者は平成生まれの救いようの無い2×歳なので、作品における餓鬼共とは異なった閉塞感・絶望感に浸されて生きています。 彼らみたいに、何処か狂っている或いは白痴じみていても、若さゆえの未来や希望、夢があるわけじゃないから。
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