気怠げな夕暮れ - B-REVIEW
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ことば

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気怠げな夕暮れ    

夕暮れはいつも 気怠げだ ゆらゆらと雲ばかりを吐いている 雲は形を変えて表象の一つになる あまたの詩に唄われる美しさも おぼろげな影たちの歩道への たましずめにはならないだろう 冬の教室が好きだった 差しこむ斜陽に反射するマークシートと 校庭の木々のように鋭く研ぎ澄まされた 鉛筆の硬質な響き そこへと 指先から滲みでた神経が 廊下から戸を硬くしまっていた季節だ 燃えていくタバコの音が聞こえる 二輪の車輪が今にも焦げそうに回転するよこで 犬の瞳のなかにわたしが映る あらゆる吐息にあらゆる感覚が伸びている それらは全て諦めているから 夕暮れはいつも 気怠げだ



気怠げな夕暮れ ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 5
P V 数 : 1384.0
お気に入り数: 0
投票数   : 2
ポイント数 : 1

作成日時 2021-02-14
コメント日時 2021-02-18
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/06現在)投稿後10日間
叙情性11
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント11
 平均値  中央値 
叙情性11
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合11
閲覧指数:1384.0
2025/04/06 13時28分56秒現在
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    作品に書かれた推薦文

気怠げな夕暮れ コメントセクション

コメント数(5)
中貝勇一
作品へ
(2021-02-14)

夕暮れのアンニュイな空気感がうまく描写できていると思いました。 身体性も感じられ、まさに「神経」が通っている感じを覚えました。 質問というか、確認したいというか、ちょっと疑問符がついてしまった点をば2つお伝えします。 1つめ。 >鉛筆の硬質な響き そこへと 指先から滲みでた神経が 廊下から戸を硬くしまっていた季節だ はじめ、「神経が廊下から戸を硬くしまっていた」という係り受けで読みました。 「(戸を)しめてしまっていた」あるいは「戸を硬くしてしまっていた」とも考えられそうだなと思いました。述語が飲み込みきれませんでした。 二つめ。 >あらゆる吐息にあらゆる感覚が伸びている それらは全て諦めているから 夕暮れはいつも 気怠げだ まず、「あらゆる感覚が諦めているから夕暮れは気怠げ」という係り受けでOKですか?これは些細なことです。 それに、上手く言語化できておらず恐縮ですが、係り受けというレベルではない次元でもつかえています。 二連目の「神経」は、個人の(生徒ひとりひとりの?詩の語り手の?)もので、かつ緊張感が感じられるのに対して、三連目の「神経」は、「あらゆるもの」の「感覚」(=神経と読み換えは可?)であって、「夕暮れ」の「気怠さ」と繋がるゆえに緊張感のなさを感じます。 この二連と三連の「神経」あるいは「感覚」のレベルの差があるところで、なんだかあれこれ考えてしまいました。 曖昧な評ですみません。が、描写は成功しているのではないかと思いました!

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福まる
福まる
作品へ
(2021-02-14)

寂しさ切なさを上手に表現した詩だと思います。「夕暮れはいつも気怠げだ」とありますが、登場人物は大人になってもそういう感性を持ち合わせているのは凄いと思います。

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新染因循
中貝勇一さんへ
(2021-02-16)

ありがとうございます。 一つ目に関してですが、これはわたしの助平心で扉が重々しくしまっている感じを硬くという字で出したかったのですが、よくよく考えると固くと硬くだしひらがなでええやんと今になっては思います。 2つ目に関しましては明言はできないのですが、そう捉えてくださっても大丈夫です。3つ目に関しましては冬の教室と夕暮れの対比として係の重さに違いを出したかったのです。

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新染因循
福まるさんへ
(2021-02-16)

ありがとうございます。わたしも主人公のようにそういう感性を持ち続けたいと思います。

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新染因循
さんへ
(2021-02-18)

いえいえ、コメントありがとうございます。

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投稿作品数: 2