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インチキ落語「クロソイド曲線」
ズンチャカズンチャ♪ズンチャカズンチャン♪ いや~これから春へ向かっていく筈なんですが、この季節が一番寒いような気がしますね。気温は勿論の事、風が強く吹いてくるもんですから、寒いを通り越して肌が痛いように感じます。酒飲みの友人が「こいつぁたまんない!この時期は痛風だな!」なんて言うですが、一体どっちなんだろうとなと毎年の様に思うわけです。寒いですから酒をしこたま飲んでいるので寒さを凌ぐ奴なんで、それは実際に痛風を起こして言っているのか、痛風って病気を分かってるがとにかく風が痛いもんで使ってんのか毎回、気になっております。 あ、皆さん。これはね枕の部分ですから、楽な姿勢で噺を聞いて下さいな。いっその事ね、横になれるならなって下さいね。腰かけて噺を聞くってのも、結構な高等技術なんですよ?聞きやすい姿勢を取って下さいな。お嬢ちゃん、そんな歳で此処に来るなんて珍しいね!どうだい?噺が終わったらピロートークってのしてみないかい?…はい…すみません。ううん!私もね~昔は恥ずかしながら舞台の上では正座が出来なくてね、いや~途中で痺れて来て噺に集中出来ないもんですから、それが皆さんにも伝わってしまうんですかね?噺が下手な奴だと感じ取ってですね、痺れを切らして帰ってしまったりしたもんです。こっちはずっと痺れているんですけども…。師匠の方からも「お前は噺以前に正座が出来ないといけないな。」と言われまして、私は他の噺家さんよりも基礎の基礎、長く正座が出来る事から始まった次第です。誰よりも噺家に向いていなかった私ですが、今では「良いか!あいつの噺の姿勢を見習えよ!」って言われるくらいになりました。私が噺を終える時に皆さん拍手を下さるんで聴こえないかも知れませんが、実はね根っこが生える様になりまして、ぶちぶちと千切りながら立ち上がっているんですね。…お分かりの通り嘘ですね。それぐらいずっしりと根付くように座れるようになった次第です。きっと私は死んだ時に地縛霊になってしまいそうな気がしますね。出来る事なら、足の無い幽霊になってしまいたいんですけどね。足が痺れる事も無さそうですし、同じ所に根付くってのも辛くなってきそうな気がするんですね。これはあくまでも、死んだ時です。生きている今としては足がないと何処にも行けませんからね。 とまぁ~偉そうに言いますが、私はまだまだ長くは生きていない訳で世の中の事は分かりません。分かったような気になっているだけです。まぁ~世の中ってのは、情報ってぇのに溢れていていますから、全部を知るってのは脳の大きさで言っても難しい事です。昔の人、江戸時代の人ってのは新聞紙4枚ほどの知識だけで一生を終える事が出来たらしいですよ?それに比べて今ってのはほんともう…あ、この話は“豆”知識でございあす。芽にして咲かすのは皆さんに任せます。え~情報社会って言われる世の中ですが、先ほども言った通り…全てを知る事は到底無理でございます。ですが、知らないと馬鹿にされたり恥ずかしい思いをする様な場面がございます。皆、カッコ悪いと思いながらも知ったかぶってしまう事がありますな。知らないとは恥ずかしい事なんて空気が蔓延しているのかも知れません。万が一バレてしまった時に大恥をかいたり取り返しがつかなくなるが、知ったかぶって起こる失敗を知ったかぶっているので、これはそうそう無くなる事はなさそうです。逆に知らないを素直にいうことは大事なのですが、最近は使い方が下手くそな輩が多くみられます。芸能人の方が不幸で亡くなった時にわざわざ「え、誰?」と言う奴がいるんですね。知らない事の見せ方が下手くそですね。そいつの場合は身の程知らずって奴でして、知らない事を堂々とするのも間違いってもんです。難しいですね~本当に生きるってのは。しまいには知らなきゃ良かったなんてのもあるんですから…これは身近にあった噺なんですがぁ… 「お前さん、最近どうやら詩の投稿サイトに出入りをしているようだが調子はどうだい?」 「いや~自分はここに載せるような詩が出来上がんないから、定期的に眺めているような感じだね…。」 「それで、なんか良い感じの詩とは巡り合えたんかい?」 「先月は約180作も投稿されたからね。そりゃあ、何作か良いのと思えるのと出会えましたよ?蜜柑日和ってのは数ある詩の中で控えめな感じがするんだけど、見かけを派手にするような詩を書いている私と比べると、とても奥行があって繊細で瑞々しい感じがしたね。最近の詩人てのは私も含めて出しゃばりで、強い単語をバチバチ叩きつけている感じがするけど、手編みの様な言葉で私にはそれが出来ないから良いと思えたよ。」 「ほーん…そうなんだぁ。そう言えば、月一で大賞が選ばれるじゃないか!あれはどうなんだい!クロソイド曲線!あれは良いと皆が言ってるよな!」 「く…くろそいど…きょくせん?あ、ああ!あれな!うん、あれはうん!あれがあれだな!」 「お前さん、何も言えて無いじゃないか…。」 「いや!…ほら、あれだろう!?クロソイド曲線って波のリズムがこの世を支配している。こいつは強さと自己主張を増大させて人の社会を乱す原因にもなっている。それに対抗すべく真逆の動きをする主に清潔感の効果を持つシロソイド曲線を重ねる事でぶっといグレーソイド直線になる。グレーソイドは自己主張を抑えてシロソイドの悪い面でもある潔癖を無くし、中和する効果がある。皆が仲良しでハッピーってな話だろう?SFな詩を久しぶりに読んで感動したよ!」 「…お前さんは何の詩の話をしてんだ?」 「ええ?…そりゃあ…勿論、クロソイド曲線だけど?」 「なに適当な作り話をしてんだい!お前さん、もしかして読んでないんだろう?」 「そんな事はねえ!私は確かに読んださ!あ、あれだよ!く、クロソイド曲線ってぇのは…エロい線の事だよ?それを語ってたな…。女の反った腰がエロいだとか、丸いスイカを見た時とか、上から見下ろした蛇のうねり、波打ち際、ハンドルから手を放したくなる様なカーブだとか、流線形の感情だとか…とにかく至る所にクロソイド曲線ってのは溢れていて、この世界は官能的だ!だけど、僕は○ックスをしたことが無いよ?それ以外は全部やっているのに…って詩だったな!」 「お前さんはさっきから何を口から出まかせに言ってるんだい?クロソイド曲線はそんなんじゃないし、別の人の詩も混じっているじゃないかい!素直にさ、分からないんだろう?」 「わわわ分かるは!何回も出向いているんだぞ!?分からない訳が無いだろう!あ、あれだろう…詩の日めくりカレンダーを捲る程度の力で非常に小さな波が起こるんだ…それは俗にいうクロソイド曲線というもので、最初はほぼ直線なんだけど、遠くへ向かうに連れて大きな曲線を描くんだ。その線は詩人が発する特別なオーラみたいなもんで、常に飛び交っているんだけど詩人ってのは案外少ないからオーラがぶつかり合うって事がないんだ。だけど稀に曲線のピークでぶつかり合う事があって、その場所にカオスが発生してお互いに持っている詩的世界観が現実に起きてしまうカオス理論だよね?」 「…どうだ?まだ、思い付くか?」 「やろうと思えば…。でも、もう良いかな?」 「そうだな。分からないからって別に恥ずかしい事なんてないさ。ま、百聞は一見に如かず!分からないのは素直に認めて読めば良いのさ!」 「ああ、今度からはそうするよ。どれどれ?みふぁそ。らしどれ見ましょう。…ふ~ん、こんな感じなんだぁ…。」 「どうだい?」 「なぁ…やっぱり女の反った腰が見たくなったよ…。スケベなお店に行こうや…。」 「なんだいそりゃ?おう!行こう行こう!」
インチキ落語「クロソイド曲線」 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2188.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 17
作成日時 2021-02-06
コメント日時 2021-02-11
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 5 | 5 |
エンタメ | 5 | 5 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 17 | 17 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 5 | 5 |
エンタメ | 5 | 5 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 17 | 17 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
お返事頂ありがとうございます。 だだ滑りしたあげく現在 ネット詩界隈のネットワークで特定されて猛攻撃を受けております。 そこまでのことをしたのだなと毎日が反省会です。
2そうですね。このタイミングでこのタイトルかいな!?という衝撃はありましたね。 まあ、私も他人様が作った料理食って文句言ったりする口をもってるうちの一人なんで、これも同じ口の持ち主なんなのかなって思って、でもタイトルの衝撃もあるし、「投稿作品」だし、なんにしても落語って書いているものですからね、読んでみました。 これは落語の構成を知らないと書けないですね。それでいうとやんちゃやってるけど勉強してます、って感じで微笑ましさすら湧いてくるから妙なもんです。なにやってんだ、コラ!!ってのが言いにくくなるわけです。 それとね、スジがきちんとできてるな、と思いました。ただね、スジはいいんだけど、肉がちょっと。笑いどころをもう少し多めに、というか、メリハリをつけてくれたらよかったんじゃないか。そう思うんです。 これだとそうだな、羊頭狗肉とまではいかないけど、ショッキングな看板に釣られて入ってみたら、もてなし慣れてないお嬢ちゃんたちがテーブルに来たみたいな感じです。 まあ、勘定踏み倒しても恐いお兄さん方がでてこないからいいけど。あ、でもアレか。インチキ落語だからこれでいいのか! これはまた失礼しました。
3お読みいただきありがとうございます。 私は落語を軽くつまむ程度には聞いてるのですが酢豆腐という演目が好きです。 そこにプラス、とある漫画でプラシーボ効果をトランシーバー効果と熱弁する話があります。 勘違いや知ったかも突き通す、大袈裟にやれば何か面白くなるのかと思いましたが、センスがありませんでした。扇ぐよりも煽る形になってしまった次第です。
3あらためまして。私も最初は煽りかしらんと思ったのですが、投稿作品としてよくよく読み返して先のコメントをしました。 で、落語では「皿屋敷」が好きで思い出すだけでニヤニヤしてしまいそうになります。それで考えるのだけど皿屋敷の本家が落語の皿屋敷を見たら怒ったり煽られたと思うかというと思わないんじゃないかと思うんです。歓びながら「チクショーめ、やりやがったな」とか言うんじゃないかと。 なので、元ネタが霞むくらいのものであればよかったと思っています。 それから詩人でも落語を愛好している方がいるので、詩作に通じるか益するものがあるように思います。次回は腹を捩れさせて下さい。
3実はもうこういうのは辞めようかなと思ってましたが、次も頑張ってみようかなと思いました。ありがとうございます。
1大人しいよりはっちゃけてるのが好きで、なんや今月は大人しいのーとなるので私も同じ癪持ちだと思います。 こんな事をしようと思うって根回しですね。次は準備いたします。
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