非結晶の嘆き
水素結合の愁い
共有結合への遥かな憧憬
折り畳まれた幼葉の思惑
加速される鱗片への牽制
枯れた枝先の
容易に籠絡され得ぬ
芽鱗に幽閉された
折り畳まれたる
蒼白な幼葉の鬱屈は探索する
微細なガラスの毛細管が
絶え間ない共振に耐えきれず
あえなく折れる刹那に浸出する
幽かな掻き傷の音吐
伝播する窒素分子の疎密
非結晶の嘆き
共有結合への遥かな憧憬
離層の面に露出する
既に硬化した細胞壁の
堅牢であるが故の
風化した脆弱さは
境界の齟齬あるいは
剛体の歪曲を
すべて鎮めるには能わず
乱立する柱列のざわめき
静止する運動に止揚される
腐植と鉱物質の微粒子の
当惑に彩られた潜行への志向と
抗い難い時の重圧に
崩落しつつある柱列が
躊躇いながらも漏出する
幽かな擦り傷の音相
伝達される酸素分子の疎密
水素結合の愁い
共有結合への遥かな憧憬
積層した鬱屈が探索した
あえかな傷の音溝に
なおも加速される
折り畳まれたる蒼白な幼葉の
容易に籠絡され得ぬ芽鱗への
鬱屈した牽制が諭す
堅牢であるが故の脆弱さに
伝播する愁いの抵触
減速し終えた分子運動の間隙が
伝達する嘆きの先鋒
共有結合への遥かな憧憬
幽閉された蒼白な幼葉の思惑
頑迷なる鱗片への籠絡
幽かな掻き傷の音相
あえかな擦り傷の音吐
加速される分子運動の疎密
いま放たれようとしている
積層した鬱屈が陽動する
脆弱なる鱗片への牽制
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 1112.0
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2021-01-08
コメント日時 2021-01-09
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:1112.0
2024/11/21 23時13分12秒現在
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めっちゃ理科っぽい、と思ったのはさておき、抑圧されてる描写やついに発芽?する開放の兆しを感じるとともに、そういう感覚をこういった用語で表現できるのかと勉強になりました。 同じ文句をリフレインさせることでそれが表現されてて、また語句を変えて重層的に表現されてる部分が魅力的です。ただそれなら、リフレインの行数が同じであったり、構造が明解であると読みやすいと思いました。
0ささらさん コメントをありがとうございます。 この詩を書くにあたって、自分の内にある感覚を言葉に置き換えるのが精一杯で、リフレインの行数や詩の構造といった、技術的な点まで思いが及びませんでした。 まだまだ勉強が必要なようです。
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