傷口まだ癒えぬまま
雨道自転車で駆ける
まるで優しさの裏返しのよう
ドラマとは無縁の青春
涙で腫れた目を隠すため
前髪長く伸ばしたまま
あいつに髪を切れと言われても
俺は聞こえないフリをした
いつか見た夢を信じて
ここまで歩いてきたけれど
今日その手に握っていたものは
空気じかけの虚無感だった
散々「時代を変えろ」とアジった先輩たち
今はこの世にいない
安らぎ求めフォークソングを聴くのは
未だ癒えぬあの頃の傷癒すため
悲しみの痕に降る雨は
これから始まるドラマの幕開け
五月雨
涙に暮れた恋人達の詩が
校庭にこだまする時
チャイムはその声をかき消すように
新たな時代の始まりを告げた
それが優しさだと勘違いして
黄昏時のバラードに外套を着替える
風吹く方角に身を委ねたのは
あの頃の傷に向き合わぬため?
いつか交わした約束を信じて
女先輩(ガールフレンド)の面影捜した
ブラウン管に映し出されるトラウマ
俺の希望を打ち砕く
時々「もう潮時ね」と悟ったような眼
明日は何も見えないけれど
お前がここにいた証「風に吹かれて」
聴くたびに湿った傷口
悲しみの痕に降る雨は
これから始まるドラマの幕開け
新たな恋の始まりに
繰り返されるレコードの追憶
さよなら若かりし日々よ
私たちは大人になる
見たことのないビル群
愛を知らぬまま大人になる
散々「時代を変えろ」とアジった先輩たち
今はこの世にいない
安らぎ求めフォークソングを聴くのは
未だ癒えぬあの頃の傷癒すため
薄々誰もが気付いていた幕引き
消えた燃える想い
あいつの唄に耳を傾ける群衆は
行き場所のない愛を抱えている
悲しみの痕に降る雨は
いつか始まるドラマの合図
悲しみの傷は未だ治せぬまま
次の世代へ夢を託す
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 1166.0
お気に入り数: 0
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作成日時 2021-01-08
コメント日時 2021-01-09
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/23 19時01分11秒現在
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世代的にどのあたりの方になるのかはわかりませんが、中島みゆきの「ローリング」やわかりやすい商業ロックの象徴であった尾崎豊などが思い出されるようです。 フォークプロテスタントソングの走りといわれます岡林や高田渡などのさらに上の世代へ向けての言葉でもあるのでしょうか。繰り返す歌詞のサビを思わせる置き方に感じるものがありました。
0訂正 誤 プロテスタント → 正しくは プロテスト でした。 失礼しました。
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