常時幹線青方式信号機 - B-REVIEW
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常時幹線青方式信号機    

僕の前にたちはだかる暗闇 横断歩道の前を 淡い赤で照らす信号機 横切る自動車の前照灯は 透明だった雨粒を光の矢へと もしそれが常時幹線青方式ならば 僕は躊躇することなく インクの禿げたボタンへ指を伸ばす だけどもしそれが常時幹線青方式ではないのならば 躊躇してしまう たったひとつの小さな行動さえ ボタンへ指を伸ばす前に青く光る人型を目に焼き付けるくらいならば 僕は生ぬるいポッケの中に手を突っ込んで それが勝手に青に変わるのを待っている そうして漠然と 自分という人間を悟って 夢に湧く粘性の煙に巻かれて わざとらしく咳き込むのだ



常時幹線青方式信号機 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 6
P V 数 : 1746.2
お気に入り数: 0
投票数   : 1
ポイント数 : 1

作成日時 2021-01-05
コメント日時 2021-01-17
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/06現在)投稿後10日間
叙情性11
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント11
 平均値  中央値 
叙情性11
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合11
閲覧指数:1746.2
2025/04/06 13時29分11秒現在
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    作品に書かれた推薦文

常時幹線青方式信号機 コメントセクション

コメント数(6)
中貝勇一
作品へ
(2021-01-05)

信号を待つ、何も感じない人であればほんの一瞬でちっぽけであるような時間に、この詩の語り手はあれやこれやと思考している……こうした構図が、タイムラプス的な効果を読者に与え、情景をイメージさせているのだなと考えました。場合分けをして考えるなど、語り手の饒舌さが、ある種の「詩らしさ」(煙に巻くような表現でごめんなさい)を付け加えています。個人的にはもっと饒舌であってもよかったかもな、とも思いました。この語り手が見ている情景や、語り手が執着している「人間」についてのくどくどとした考察をもっと眺めていたいという感想も得ました。

1
ユーザー姪
ユーザー姪
中貝勇一さんへ
(2021-01-07)

昔、車が全然来ないけど律儀に信号待ちしてたんですけど、全然青に変わる気配がないので、まさかと思ってボタンを押したらパッと青に変わって、なんなんだよって思ったことを思い出して書きました。後になってその時のことを考えて付随してきた感情とか考えがこの文章に現れているのかもしれません。「人間」というのは、自分の人間性のことなので人間そのものについて特に考えがあるわけではないです。 貴重なご意見ありがとうございました。

0
白川ロイヨ
作品へ
(2021-01-10)

常時幹線青方式という言葉を聞いたことがなかったので、そこで少し立ち止まりました。 聞き慣れない言葉を立ち止まって考えることで、詩の中の人物が思考している様子とリンクできた気がします。 言葉の使い方が良いなと感じました。

1
ユーザー姪
ユーザー姪
白川ロイヨさんへ
(2021-01-11)

コメントありがとうございます。僕も最初は、この信号機、ボタン押した瞬間に色変わるなみたいな認識を持っていただけで、後で調べて名前を知りました。その無機質でのっぺりとした印象が独特で、タイトルに使ったのも、正直人目を引けるんじゃないかなーと思ってのことでした(笑)  中貝さんのコメントでも書かれていて気づいたんですけど、『詩の語り手』や『詩の中の人物』は僕にとっては自分のことだったので、読者にとってはそれが『作者』ではなく『主人公』という扱いになることに気づけたのは良い発見でした?

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羽田恭
作品へ
(2021-01-11)

即興で返詩を、川柳で。 ボタン押す 「俺変わるのか」 信号機

0
ユーザー姪
ユーザー姪
さんへ
(2021-01-17)

なるほど、そういう解釈もありですね???

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投稿作品数: 2