別枠表示
風車が回らない日に
風車が回り始めるのを 待っていたんだ 子どもみたいに風車を見つめて 待っていたんだ 花も草も震えない そんな時に 回った方がいいのか このまま止まっている方がいいのか 分からないまま ただ子どもみたいに 風車が回り始めるのを待っていたんだ 皆普通の人だと思っていた 皆がつながっていることが当たり前だと思っていた でもそうではなかった 「君」と呼べる人がいなくなった 考えてみると 普通ってどういうことだろう 分からないまま 風と風がつながって 風車が回り始めるのを 待ち続けていたんだ
風車が回らない日に ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1082.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 3
作成日時 2021-01-03
コメント日時 2021-01-04
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 3 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 3 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
個人と個人との断絶、群衆の中の孤独、「普通」という言葉の空疎さといったことを、止まったままの風車や、つながらない風で表現している点が斬新に感じました。
0お読み下さりありがとうございます。 今回はある意味あまりがんばらずに書きました。風車のモデルは昨日昼間にビルの上階から眺めた港の巨大な風力発電の白い風車なのですが、単に風車だとちょっとのどかな感じがしますね。その風車は快晴の中で止まっていました。風が無かったのでしょう。少しさびしい正月の気分の上にその風車の姿がのっかって、この作が生まれました。哀惜のようなものがしみ込んでいたようでよかったです。そして、回った方がいいのか、このまま止まっている方がいいのか、本当に分からないのですが、それでも回り始めるのを待ってしまう私の心の、というか人間の心の、どうしようもない傾向を語り得て、書いた者としてはこれでひとまず安心の気持ちを持っています。
0お読み下さりありがとうございます。 日頃、私は、特に音楽の歌詞に「君」という語が頻繁に使われ現れることに疑問の気持ちを抱いていました。誰にとっても「君」と呼べる人がいることは当たり前のことではないのではないかと。「君」という語が無ければ歌にならないということも分からなくもないのですが、ここは文芸の領域の特権とも言えるもので、あえて「君」という存在を殺してみました。そうしてもなお読み得るものとなったこと、斬新さまで感じていただけたことをうれしく思います。
0