空を覗いて
宝島を探すなら
航路は
歌うわたしたちと
そのための帰路だろう
けれど美しい模様は
紅葉した葉が枝を離れる呆気なさで
先刻の美しい模様を
二度と思い出さない
わたしは虚ろばかりを望遠する
澄んだ空に瑞々しく
柔らかい葉は脈を透かしてひらく
この水晶体に映り込み、巻き込まれ、散っていった、
あらゆるコランダムのような落ち葉の波
深く進むひと足ごとに しゃらしゃらと
暮れていく家路で
母の手を掴みあぐねるように揺れている
(そうやって迷子になったのだ)
もみじか、かえでか、
(あなたが呼ぶなら 其れでいい)
出会いの、別れの、慈愛の、呪詛の、
あなたの、数多の手のひらの
赤々と温かいこもれび、
散りゆく、はじまりの鮮血
幾度この手をひねっても
決して再会を止めない
鏡のなかのオブジェクトに
眼球が震えて零れるものがある
降り積もる落ち葉の海と
暮れない空の狭間で
命は循環する
濡れたら いつか芽吹く
腐葉土の下の
双葉の息吹に耳を澄ます
作品データ
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お気に入り数: 1
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作成日時 2020-12-29
コメント日時 2020-12-29
#現代詩
#ビーレビ杯不参加
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
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2024/11/21 22時41分03秒現在
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