外灯に焼かれて死んだ虫
無言を口ずさんでる
目や耳ならふたつもあるのに
あなたの口ははんぶんつ
日に
日に
面差しが似ていく
小銭を打ち鳴らす足取りに
剥き身にされた肩口
生えそろう前に抜けてく永久歯
誰も彼もその口を吸い
すくい取ろうとした祈り。
反芻する(はんすうする)
代わってやりたい、
とは一体、どの口が言うかと吐き捨てたことがあった
不織布一枚、大した枷にもならねえし
アンブロキソール、言葉なんて捨てちまうために
吐くんだ
捨てっちまう度に、吐く息
確かに
らっきょう臭くて咽せちゃうんだけどさ
Oh, it's smiling!
安心、するの
*
あかぎれに浸透するアルコール
家族がまた、名前を失う
面影まるくこぼれ落ちてる
なけなしの温度が奪われるみたいに
それは今年も
まつ毛から灯った
作品データ
コメント数 : 9
P V 数 : 1657.8
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 18
作成日時 2020-12-21
コメント日時 2020-12-29
#現代詩
#画像
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 4 | 4 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 5 | 5 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 4 | 4 |
総合ポイント | 18 | 18 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0.5 | 0.5 |
可読性 | 0.5 | 0.5 |
エンタメ | 2.5 | 2.5 |
技巧 | 1.5 | 1.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 2 | 2 |
総合 | 9 | 9 |
閲覧指数:1657.8
2024/11/23 19時03分06秒現在
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もっと切迫して書けるのではないかと思いました。バランスの良い詩です。 自分の予想を遥か超える自分声があり、どこか心の底にうずくまってる感覚でした。 まだ一杯書いたら声が出せるかもしれません。
0口について魅力的なものを感じさせる詩だと思いました 無言を口ずさんでいる、という表現好きです 口とは不思議なものです。言葉を出したり食べたり飲んだりするし 吸ったり吐いたり、代わってやりたいと言ってみたり 口についての詩ってあまり見かけなくて とても好きだと思いました
コメントありがとうございました。 もっと声だけを出せるようになりたいです。
0コメントありがとうございました。 もともと味がないのだろうと合点がいきました。
0コメントありがとうございました。 口は言葉なんか吐くからひとつしかないのだと思います。
0ころなという世情の中で、作者個人の魅力と説得力をちゃんと持ちつつも、優しい味でした。見掛け倒しの愛情や優しさとは違うように見えます。らっきょうなんて出てきちゃいますが、母性とも父性ともつかぬ甘みを感じて私的にはとてもみるきーな味わいでした。最終連が特に惹かれました。
0捨てっちまうで「短夜や乳ぜり泣く児を須可捨焉乎(すてつちまおか)」竹下しづの女の俳句を思い出しました。地蔵の画像からふと水子地蔵ではあるまいかと思ったのです。
0コメントありがとうございました。 優しい味と言ってもらえるのはとても嬉しいことでした。
0コメントありがとうございました。 その句を知らなかったので調べました。なるほどと思います。
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