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爆発は丘の上で
ああ、秋空に飛んでった彼女が爆発した! 音はしなかった、 アクリル絵の具のような綺麗な青に きらきらと肌色の破片が混ざっていく その子は爽やかに、朗らかに去っていった! 俺の心は晴れやかだ 彼女はいなくなったけれども、いずれ再生するのが俺には分かる だって人間は爆発なんてしやしないから これが寿命で死んでみろ 絶対に蘇らない! 俺の心は晴れやかだ 地べたに散らばった破片をみて 俺はその残骸を踏み潰しさえした 今なら何をしたって大丈夫だ 不安なことなど何一つない その肌色の破片を拾って鼻に近づける その辺に転がってる空き缶を引っ掻いたような その擦れた、かすかに焦げ付くような臭い それを吸い込んで胸に溜め込む 一応形として 肌色の1つを地面に埋めて ついでにちょっと盛ってみたけれど その無駄に滑稽な墓の様相に 俺はまた嬉しくなってしまい、 地面に手と足を投げ出して、 散らばった破片達と共に空を見上げる
爆発は丘の上で ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1022.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 8
作成日時 2020-11-15
コメント日時 2020-11-18
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 8 | 8 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 8 | 8 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
いやいや爆死したら蘇らんだろと思いましたが、「これが寿命で死んでみろ 絶対に蘇らない!」という理屈で妙に納得してしまいました。彼女は爆死という有り得ない死によってその再生を約束されているのでしょうか。 彼女の死後の「俺」の行動は彼女の再生を確信したように力に満ち満ちていますが、どこか空元気のような虚しさを感じます。実は彼女の死は絶対的なもので、「俺」はそれを否定しようとしているのでしょうか。そう考えると「不安なことなど何一つない」と言うところは自分に言い聞かせているようにも聞こえますし、臭いを「胸に溜め込む」ところも、彼女の再生を確信しているなら不自然に思えます。 最初の爆死表現で血が描写されず、「肌色の破片」という言葉から、彼女が風船のように滑稽に飛び散る様子が容易に想像出来ました。全体的な表現はエネルギッシュでパワーを感じますが、その裏に、それによって塗りつぶされた、あるいは覆い隠された影や闇のような不安を覚えます。また、「彼女が爆発した」という掴みはとても引きつけられました。 これを読んだことによって何を得られたかと問われると閉口せざるを得ませんが、単純に面白かったです。
0失恋も、こう受け止められれば、つぎのアクションに移行しやすいですものね。
0何を言っているんだ?私は???
0コメントありがとうございます! 僕が詩を書くときはあまりテーマとか伝えたいこととかなしに無意識的にイメージで浮かび上がったものをできるだけ頭の中で違和感ないように書くようにして着地させている、という感じなので特に深い意味はないです。今回だと、爆発した「彼女」のイメージがあって、でもこれを見て悲しんだらなんか変だな~、むしろすがすがしさを感じるな~、でもすがすがしいだけでもないよな~、みたいな感じで作りました。あんまり論理的じゃないですが。笑 なので割と無意識というか、ノリで書いているので、いただいたコメントは非常に参考になります。以下のコメントとかは確かに、と書いた僕が納得してしまいました。笑 >最初の爆死表現で血が描写されず、「肌色の破片」という言葉から、彼女が風船のように滑稽に飛び散る様子が容易に想像出来ました。全体的な表現はエネルギッシュでパワーを感じますが、その裏に、それによって塗りつぶされた、あるいは覆い隠された影や闇のような不安を覚えます。
0コメントありがとうございます! 割と無意識というか考えなしで書いているので、失恋という意識はなかったのですが、 確かに、爆発した「彼女」が「彼」だったら今回の詩みたいにならないなーと思います。 女性か、女性的なものに対して無意識にですが、何か思っていることがあるのかもしれないです。 書いた本人がふわふわしててすみません。笑 でも、考えなしで書いている分、自分にない視点のコメントが大変ありがたいですー。
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