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フランス軍野営地の出来事 Incident of the French Camp
I. ご承知の通り、我がフランス軍強襲せるはラティスボン。 1マイル程離れた、 小さな丘で、ナポレオンが 我等の昼間襲撃を見守った。 もの好きにも首を剥き出して、 足を広げ、腕は後ろ手に組み、 傾いた眉は釣り合わせるかのよう その思いの重苦しさと。 You know, we French stormed Ratisbon: A mile or so away, On a little mound, Napoleon Stood on our storming-day; With neck out-thrust, you fancy how, Legs wide, arms locked behind, As if to balance the prone brow Oppressive with its mind. II. 彼が思い耽ることおそらくは「我が謀は 「飛び出したものの、地に墜ちるかも 「我が指揮官ランヌも一度は 「あそこの壁にたじろぐか」 そこにもくもくと沸く硝煙を抜け 騎手の一人が揺れに揺れつつ 全力疾走。手綱も引かず 丘に到着するまでは。 Just as perhaps he mused “My plans “That soar, to earth may fall, “Let once my army-leader Lannes “Waver at yonder wall,” — Out ’twixt the battery-smokes there flew A rider, bound on bound Full-galloping; nor bridle drew Until he reached the mound. III. 確かにその時、喜色満面かしこに躍動、 そして馬上に立ち上がると 馬の鬣をさながら、まだ少年で。 誰も思いもつかなかったことには (彼の唇はぎゅっと引き締められ、 血も通わないようであったが) 二度もその胸見直せば 撃たれて二つに裂けていた。 Then off there flung in smiling joy, And held himself erect By just his horse’s mane, a boy: You hardly could suspect — (So tight he kept his lips compressed, Scarce any blood came through) You looked twice ere you saw his breast Was all but shot in two. IV. 「よろしいか」と彼は叫んだ、「皇帝陛下、神の恩寵ありまして 我等はラティスボンを陥としましたぞ! 元帥は広場に居ります故、 陛下はそちらに御成り遊ばせ。 大陸軍旗の鷲が翼はためかすを目にされんことを。 かしこに私が、心からの願いをかけて 鷲を止まらせた故に!」上官の目は瞬いた、彼の謀が 炎のように再び舞い上がったので。 “Well,” cried he, “Emperor, by God’s grace “We’ve got you Ratisbon! “The Marshal’s in the market-place, “And you’ll be there anon “To see your flag-bird flap his vans “Where I, to heart’s desire, “Perched him!” The chief’s eye flashed; his plans Soared up again like fire. V. 上官の目は瞬いた、しかし今は 眼差しを和らげた、目を瞑るは さながら母なる鷲の瞼 傷ついた子鷲の息を窺う時のよう。 「おまえは負傷して!」「いえ、」兵士の誇りにかけて 素早く訂正を入れ、彼は言った。 「戦死ですよ、陛下!」かくて彼の上官の傍らで 微笑みを浮かべつつ、少年は逝った。 The chief’s eye flashed; but presently Softened itself, as sheathes A film the mother-eagle’s eye When her bruised eaglet breathes; “You’re wounded!” “Nay,” the soldier’s pride Touched to the quick, he said: “I’m killed, Sire!” And his chief beside Smiling the boy fell dead. By Robert Browning 1845
フランス軍野営地の出来事 Incident of the French Camp ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 892.8
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 3
作成日時 2020-11-06
コメント日時 2020-11-18
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 3 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 3 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 3 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
世界史に詳しくないので調べてみましたがこれはレーゲンスブルクにおける戦争の詩なのでしょうか?レーゲンスブルクの和約とか。うまく言えないですけど、少年が逝った時に命の焔が1番輝いているように見えました。
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