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濃色の徒労
毎夜、光に突進試みるカナブン 薄茶色に汚れたレースのカーテンをめくると 数えきれないほどの ごっつんこ をしているんだ けして、くぐることのできないガラスに、体を当て 漏れ出る白い光に、必死に食らいつくので 頭で明かりを遮ってみると、僕の耳の両端から溢れる淡さへ なおも断続的に 引き寄せられる、彼の身体 昼間は、日照りの下、この小宇宙 住宅地を駆け巡り 夜、回るメリーゴーランドの中で迷い続けても きっと陽がまた昇れば、彼は 身体中に巻かれたひもを解くように 日の出の方角に羽を伸ばすはず 夜の徒労は、誤解された月明かりに消え入る 沈黙に徹する奥まった紫色、6本足のもつれる音 沼のぬめりを保つ腹の色、記憶 彼の離陸ポイント付近に横たった 別の骸 人工の明かりに飛び込み、累々と、身体を寝かせるのが 彼らにとっての、伝承である ひっそり、息を殺して 徒労を体液に巡らせる彼に、見入っている僕は 光に彼が飛び入るように、彼の内に飛びこんでいる 見てくれよ、濃色の徒労で 僕の羽も、こんなに擦り切れているんだ
濃色の徒労 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1312.0
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2020-11-01
コメント日時 2020-11-29
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
- カナブンへの視線 (r)
※批評文が最後のところまで投稿されていなかったのでその続きです。 それにしても日頃からカナブンをよく目にしているのか(季節的に今ではないでしょうけど)、よほどカナブンに何かを見出しのだろう、それが「徒労」という語り手とカナブンを紐付ける媒体になっているのなら、後半もわかるというか、後半あっての前半だというように、好意的に読むことができる。 御作は創作という過程を、考えさせられたというか、書くことへの動機をこちらに想像させたという意味で拙文の冒頭とあわせておもしろかった。
0※批評文が最後のところまで投稿されていなかったのでその続きです。 それにしても日頃からカナブンをよく目にしているのか(季節的に今ではないでしょうけど)、よほどカナブンに何かを見出しのだろう、それが「徒労」という語り手とカナブンを紐付ける媒体になっているのなら、後半もわかるというか、後半あっての前半だというように、好意的に読むことができる。 御作は創作という過程を、考えさせられたというか、書くことへの動機をこちらに想像させたという意味で拙文の冒頭とあわせておもしろかった。
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