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蝶と私
ストレンジ・バタフライよ 夜には明日の希望を持ちたい 途中の駅で降りて歩いて帰る オリオン座くらいは見つけられる 庇にひっそりぶら下がる目玉が光る 心のゆりかご、アフォーダンス しらじらしく宇宙は瞬いた 南で語らうクローバー 月の光が淡く撫でる草原で ストレンジ・バタフライよ 羽が破れる様子で飛んでいる夜の蝶 くすんだまなこで私はいつも居ます 君は悪びれずに飛んでいる 揺らいでいる苦しんでいるような感じで やはり君は悪びれずに飛んでいる くすむ眼に映る宇宙は瞬いた 七輪で妬かれるキモチを以って 声に出せば崩れる表層世界のはなし ストレンジ・バタフライよ 雷雨の最中、自由を謳歌した夏の羽は とうとう脆くばらけてアスファルトの上 散らばった君の欠片をかき集め センチメンタル気分で揺らめいて 私はまるで仄暗い闇に佇む幽霊だ 君はやぶにらみで不貞腐れ フローリングに寝そべって 夜には漆黒の希望、厚ぼったい希望
蝶と私 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 818.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-08-20
コメント日時 2017-08-21
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
ストレンジ・バタフライというフレーズに、固有名詞と形容詞の二つを含むためか、読んでいるとリズムカルに心地よく(読みやすさがある)。ただ、『苦しんでいるような感じで』や『センチメンタル気分で揺らめいて』などの直喩が、読みながら少し醒めてしまうと、個人的には思う。折角、魅了される世界が展開されているのに、タイトルに『蝶と私』とあるせいか、語り手が読者へ開かれていない感じを受けてしまう。ただ、作品のテーマが、ストレンジ・バタフライとは作者(語り手)が手にしたい焦がれる他者への暗喩としてのものだとすると、私のような読者は不要であるけれども。幻想的な場所へ読者である私を置き去りにして欲しかった。欲を云えばそのような感想です。
0六連三連というリズミカルな繰り返し、〈ストレンジ・バタフライよ〉と呼びかける歌い出し。 歌詞の印象が強い、スタイリッシュな作品だと思いました。 三浦さんが〈少し醒めてしまう〉と感じたところ、私も同感です。直喩だから、ということ以上に・・・センチメンタル気分で、というような、音楽にのせて歌われたらしっくり馴染むような部分。文字で読むと、意図的に感傷的な世界を用意して、ほら、こんな感じを感じてよ、と手渡されてしまうような、ある種の強引さを感じる、と言えばいいのか・・・。 夜の蝶として〈悪びれずに〉飛んでいる〈君〉が、自分の思い通りにならない(というと変ですね。思いが上手く伝わらない)恋人や片思いの君、なのか・・・あるいは、親が娘を歌っている、設定なのか?小悪魔的に夜の街を飛び回る〈君〉を、ハラハラしながら見守るしかない〈私〉。〈とうとう脆くばらけてアスファルトの上/散らばった君の欠片をかき集め〉る〈私〉。もう立ち直れないほどに〈君〉は傷つけられてしまったのか、と思ったのですが・・・最終連で、〈私〉の足もとにふてくされて引っくり返っているようなイメージでもあり(それゆえに、親子という設定を連想したのですが)なんとなく、無事でよかったな、という読後感を持ちました。
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