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秋
清純なるただなかにそれはただひたすらに光り燻され,銀幕の中の血脈はただひたすらに長く受け紡がれる。 なれはどこにおわしますか。この呼吸の気圧差に紛れ潜流し,遠くの薄雲の中に昇華していき給うたか。 銀砂を削り落とす秋の長雨は,時折見せる夏の太陽の欠片が見せる晴れ間とともに災害河川の一部となりて山を遡上する。 最外殻を剥がしてそのたおやかな,すすきのようなひやりとした風を愛撫しよう。 いかにも私は一本のろうそくを頼りに,真黒の坑道で銀を採掘するのです。 這いつくように掘り進めながら,山を背負い,地の轟轟いう収縮を聞きながら。 岩を砕いたときその脆い柔肌に触れ,私は眠りにつきたい。
秋 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2080.7
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2020-10-04
コメント日時 2020-11-06
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
これは私の個人的な解釈ですが、赤ちゃんが産道を通って産まれようとしている光景が目に浮かびました。潜流、遡上、などの表現から、激しく流れに逆らっていく様子も伺えます。
1AB さん,コメントありがとうございます。自動記述のような気分で書いたのですが,おっしゃる通り途中で語り口が変わってしまいました。視点を転換するにしてももう少しきれいにまとめればよかったと反省してます。
0つつみ さん,コメントありがとうございます。個人的な解釈大歓迎です,私も自分の作品を再発見することができうれしいです。
0こんにちは 時折、難しい表現をしておられ 読み応えのある作品だなあと、まずは 思いました。 正直、作者さまが 読者に届けられた世界を ちゃんと私が受け取った自信が 私にはありません。ですが、せっかくなので 私が どのように この作品を受け取らせていただいたかを お話してみたいです。 ずばり、白雪姫を連想しました。 主人公は、どこかの国の王の娘(なれ(受け継ぐ者))。この詩の舞台では 主人公の消息は わからずにいる段階です。その方は、風光明媚な黒い森に住んでおられ 銀山を掘る人たちと共に暮らしています。 (長雨は,時折見せる夏の太陽の欠片が見せる晴れ間とともに災害河川の一部となりて山を遡上する)ここは、王権を失っている白雪姫が 人々と共に災害なども経験しながら、王権を再び得ることを 大自然が望んでいる。……と、いうふうに 勝手に読ませていただきました。 解読という、たのしい時間をいただきました。ありがとうございます。
1真清水るる さん、コメントありがとうございます。確かに自分の中の感覚を表現するよう書き上げましたが、むしろるるさんの受け取り方を知ることができ嬉しいです。 白雪姫と聞いて、自分の詩からシュヴァルツヴァルトの森がイメージされて驚きました、解読ありがとうございます。
0夏の日差しはカラフルなイメージですが、ちりばめられた「銀」という色のイメージとススキの穂の印象も重なり、秋の日差しは夏に比べて確かに色素が薄い銀色なのかもしれないなぁと思いました。 「災害河川」というのがぴんとこなくて、災害がおきた川ということでしょうか。川の一部が山をのぼるかたちの地形になっている場合もあるのかもしれませんが、遡上するというと、山肌に沿って立ち上る飛沫やモヤを思い浮かべました。そういうのが陽光に照らされて視えているのかなぁと。それはつまり逆に光に照らされないと気づきにくいものであるのかなぁと。 5行目は一気に場面が転換するのだけど、私はここが一番難しかったです。たった一本のろうそくで真黒な坑道で銀を採掘するということがとても大変なことなのだろうというのは想像できるのですが。銀、光のさす場所を探す、などでしょうか。 すっきり何がどう、という読解はできないけれど、「秋」という季節は木の葉も紅葉して、落ちて、土に還る。そういう命の循環みたいなのを、のどかな景色にしみじみと感じる季節だよなぁと思いました。
1杜 琴乃 さん,ありがとうございます。 夏に比べ色素が薄い銀色,というイメージは私も抱いていました。 災害河川,という語は音の感じを優先してしまったのでミスチョイスだったかなと反省してます。陽光に照らされたモヤのイメージを浮かべてくださりありがとうございます,それが秋風に乗って天に上るのを意識して書きました。 5行目は,夜に書いたせいもあるかもしれませんが,秋そのもの(ひんやりと優しい空気感,柔らかい陽光)に触りたいなあと思って書きました。 のどかな景色の中に命の循環を感じる季節,と聞いて私も確かにそうだなあと思いました。杜さんのイメージが伝わる感想を書いてくださりありがとうございます。
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