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悟りの過程
おれは始めから自由だった なのにそれを捨てて 悟りという大きな夢を持って 自分が縛り上げて身動きができない 檻の中へ入れて修行してた ある日、僕は、死んだあとのことが恐ろしくなり 仏教で言われる善行をする機会があったからした 公園にうんこまみれのパンツとズボンが落ちてた けつの穴を拭いたであろう紙が大量に落ちてた 全部、綺麗に拾ってやった ゴミ袋に入れて、車でゴミ捨て場まで捨てにゆく最中 善いことをやった!と思った 僕はとうとうおかしくなってしまった ゴミ袋を5袋分、街に出て、ゴミを拾った 善いことをすることは、善いことではない、当たり前のことだとか 善いことをした人間は、善い智慧を得る、悪いことばかりしている人が、頭良いだけではない智慧があるようにね、など まあ実際、そのとおりにはなったのだが、僕は完全に、自分を閉じ込めて、何も身動きができない人間になっていた 部屋の中に蟻が大量に歩いてた 僕の中で虫を殺さないのは、善いことですらなく、当たり前のことなのであった 僕はその日、夜飯を食べなかった 朝起きて、腹が減っているな、と思った 母親が知らぬ間に、ご飯とみそ汁をずいぶんと多い量をよそってた 僕は、これじゃ多いよと言い、少な目によそって食べた 母親が、昨日夜ご飯食べてないのに、そんなので足りたの?と聞いてきた 僕は、その時、夜飯を食べなかったら、次の日腹が減るという当たり前のことも、だから、必然的に、朝飯が多くなるという事実も完全に忘れており、腹が減っていたにも関わらず、それがなぜなのか考えもしないで朝飯を少な目によそっていた 僕はもう自分がおかしくなってることはだいたい分かってた 寝ながら瞑想しようと思った 脚を胡座をかいて、脚を腹筋で持ち上げて瞑想した 目を閉じて、どうしたら悟れる、どうしたら悟れるとばかり考えており、ふと目を開けて、自分の身体を観たら、脚を手が支えていた 自分の身体が哀れでいたたまれなくなった 私は誰か? ひたすら問い続け、静かーになり、覚醒した これが言わば、悟り、これの為に、宗教に興味がある人たちは、必死になってる 僕は、確かに自由だけれども、とは思ったが、あまりにも、理想のような悟りではなくて は?と思った
悟りの過程 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1380.4
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 13
作成日時 2020-09-28
コメント日時 2020-09-30
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 2 | 2 |
エンタメ | 4 | 4 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 2 | 2 |
総合ポイント | 13 | 13 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 2 | 2 |
技巧 | 1.5 | 1.5 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 6.5 | 6.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
「悟り」がなにかの比喩でなく本当に悟りだったり、「母親」と暮らしていることが明かされたり、ボケが上手過ぎて読まさせられました。
0コメントが悪意に満ち満ちてますね。 あなたにこの作品を読まれたことは不幸です。 だから書かなければよかった。
0陽向さんの素直な人柄があらわれた良い作品だと思いますよ。
0僕がどうしてあなたに悪意を持つ義理があるのか、何をすれば善行をしたことになるのか知りませんが、この作品が善い読者を得るよう望みます。