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卒業式
今日卒業式の光景を見た 今日卒業式の匂いを嗅いだ 地下鉄の駅から地上に出たらそこに偶然大学があった また僕の知らぬ間に卒業式がおこなわれていた 朝が来て 夢から覚めて 人生が 現実のものになる時がある その時のような気持ちになった 晴天のもとに 冷たい春の香りが漂っていた いや、それは卒業式の香りだった 僕はそれを嗅ぎ あたかもずっと卒業できていないかのような思いにとらわれた 卒業式のそばをまた一人通り過ぎるだけ 君と一緒に卒業できなかったことを悔やんでいる 君は教授に好かれていた 僕は教授に好かれていなかった これはどうにもならないことだった 最近も社長に言われたよ 「モテなきゃ仕事なんて無いんだよ」ってね それでも君は君と僕とを友愛の情でつなぎ続けようとしてくれた 電話や笑顔で 裏切ったのは僕だった 僕が二度目の留年をすることになった時 「考え方変えた方がいいよ」 君は僕にこう言って 去った 君は先に行ってしまった 君を失望させてしまった もう同じ時間に生きるのではなくなった 二人の時間はもう交わらない そして時間は何も解決しないのだ 時間は過ぎ去っているのか止まっているのか 過ぎ去ったことがあるゆえに止まっていることがある 止まっていることがあるゆえに過ぎ去ったことがある 「考え方変えた方がいいよ」 今の僕にも あの言葉は当てはまるかな 考え方、か 十八歳からまるっきり一人暮らしなんて 簡単なことではなかったんだよ 君は実家で、良い家族がついてくれていたではないか 良い家族がついてくれていたではないか
卒業式 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1189.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2020-09-26
コメント日時 2020-09-28
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
私も大学時代を思い出しました。懐かしく、授業料がなく退学してしまった事。私の学校、一応休学だったんですが廃部になっていました。サークルとか立てたら良いのですが、 良いとこと悪いとこがある、とは神の云いました人にも、云えるのではないでしょうか。私にも暗い部分があります、そこを打ちあけるのではなく守りたかったのが(この詩でも言える)「若き頃」だと思います。
0コメントありがとうございます。 十八歳、あの強くもあり弱くもある時代、好運にもうまく通過できる人がいる。だけど私はそうではなかった。まだ家族に支えられて生きるべき少年だった。浪人でもして少し成長してから大学入学すればよかったとあとになって思っています。 私たちは自由です。それゆえやはりどう生きるかを考えなければならないのでしょう。偏狭と寛大との間で揺れ動きながら。
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