受験生の詩 - B-REVIEW
新規登録
ログイン
PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



作品を
別枠表示

受験生の詩    

目の前に並ぶ紙切れ もはや文字の羅列でしかないそれらを手に取ることはしない いっそのこと全部びりびりにしてしまおうか そんなことしなくても、もうすっかりみんな傷だらけ 私がみんなを傷つけた みんなの中からあらゆるものを奪ってやった それでも私の不安はぬぐえなくて 依存症みたいに君を握りしめていた 時には私はみんなの体にペンを走らせた そうするたびに、みんなは私だけのものになっていくみたいだった ボロボロになるみんなを見るだけで誇らしい みんなは私の努力の結晶なんだよ それなのに、うまくいかない どうして どうして こんなにも頑張っているのに 誰も私を認めてくれないの? 涙の夜だって、私はみんなを忘れたことはない それでも、今日だけ、今日だけは、ひとりにさせて 次の日も、みんなはいつもの場所で私を待っていた さあ、今日も始めよう あと少し。あと少し。 私が桜の門を通るまで。 追伸 四月、桜の下で君と出会う。 始まった。私の新しい人生が。 私のもとを去ったみんな。 今年もたくさんの人がみんなを手に取る。 どうか努力が報われますように。



受験生の詩 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 1
P V 数 : 1147.4
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2020-09-22
コメント日時 2020-09-23
#現代詩 #縦書き
項目全期間(2025/04/14現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント00
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合00
閲覧指数:1147.4
2025/04/14 03時20分43秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。

    作品に書かれた推薦文

受験生の詩 コメントセクション

コメント数(1)
shoe
shoe
作品へ
(2020-09-23)

自分は受験勉強の経験がないので、「みんな」が参考書とかだろうか、と曖昧な想像しかできないけれども、知識を蓄える、勉強をすることを「奪う」と表現するのは面白いと思いました。 「紙切れ」だったり「みんな」だったり「ぼろぼろ」だったり「努力の結晶」だったりするのは、それだけ過ごした時間が長く思いが積もっているからでしょうか。 なんだか付喪神を思わせる詩でした。

0

B-REVIEWに参加しよう!

新規登録
ログイン

作品をSNSで紹介しよう→

投稿作品数: 2