点滴の針が腕に入る感触
俺は誰かに支えられている
そばにいる 知らない人
それとも母か
目はよく見えない
どれだけ手を伸ばしても 届かない背中がある
希望の壁は越えられるけれども絶望の壁は
越えられない
人生を捨てて運ばれた俺に あなたは優しく
「どんなひどい暮らしをしていたの」
シクラメンの打ち捨てられた床には他に
写真も何も無い
渇きをごまかすために見つめた PCの赤い文字
世界最貧国の南スーダンでは
安全な水に飢え のたうち回る少女と
ガリガリの青年が横たわるベッド
俺は 自分のことを南スーダンなんだとおもう
俺は世界でもっとも貧しく
心の中は病気や紛争が絶えず
清潔なハンカチと愛情にいつも飢えていて
他の誰よりもずっと ずっと支援を必要としてる
あなたの愛を必要としてる
針からしずくが生まれて消える間
光と影を味わっていた
目の上にある柄が母の古いハンカチだと
ようやくわかる
左手でそいつをどけると
天使のような声をくれたあなたはもう そこにはいない
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 1229.5
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 2
作成日時 2020-09-20
コメント日時 2020-09-20
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 2 | 2 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 2 | 2 |
閲覧指数:1229.5
2024/11/21 23時21分36秒現在
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過激な詩です。常識的な感覚からは倫理にずれを感じざるを得ません。この詩を投稿することで、このずれを詩情だといいはるあたり(ボクもそう思うので)評価します。
0コメントをありがとうございます。 私にはむしろ、常識のわかるあなたが羨ましいです。私には、常識というものは、いくら考えてもわかりません。この詩がずれているという事自体、自分では気付きませんでした。
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