Re:crystallizer - B-REVIEW
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ことばという幻想

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花骸

大人用おむつの中で

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Re:crystallizer    

レースカーテンになだめられた光が、ひとしずくを結晶させた。 僕の知らない理由が限りなく溶け込んでいるから、無のように透いている。 網戸から忍び込んだ小学校の昼休み、 をひとつひとつにする秒針、 に逆らって静止する指の速度が、 痛い。 記憶の素片が、決定的瞬間から解放されようとする。 素片は核になり得ない、結晶は冷たい揺らぎの上でのみ保たれる。 溶け出しては回帰して、落差がより透徹した構造をつくる。 震えたままの指先が、どうにかして、と歪む。 その、どうにか、がどちらを促しているのかわからないままに、触れ合った肩から化石している。 解放、の指す意味を、きらめくまつげは誰よりも鋭利にわかっている。 指が、ほそく、動く。 過剰に表意的な、スプライシング。 静止していた秒針。 子どもたちはもういない。 網戸に濾されたぬるい風がカーテンを揺らめかせ、光もまた揺らいだ。 全てを語る言葉はないから、僕はちらかった器を隅まで引っかき回している、でも秒針があまりに急かすから。 視野すら、与えられない。 華奢なからだが、まるごと素片へ進行しようとする、兆し。 僕が幼すぎるから、喋るための肺はなく。 摩耗した声が、耳道をかすりとる。 グラスの底の薄い水を弄んでいた光は、いつのまにかラグの縁まで手を引いている。


Re:crystallizer ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 2
P V 数 : 1493.5
お気に入り数: 2
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2020-09-11
コメント日時 2020-09-23
#現代詩
項目全期間(2025/04/04現在)投稿後10日間
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閲覧指数:1493.5
2025/04/04 12時34分34秒現在
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    作品に書かれた推薦文

Re:crystallizer コメントセクション

コメント数(2)
杜 琴乃
作品へ
(2020-09-20)

学童期の記憶がレースカーテンや網戸を通って輝いているような、そのころに思いを馳せるノスタルジーを感じました。昼食を終えて眠くなってくる平日の静かなひとときは、流れる液体のような時間から大切な人や記憶を分離させ取り出す不思議な気持ちにさせる装置のようだと思いました。 crystallizerやスプライシングといった用語を調べ、なんとか私なりに解釈をしてみました。全体的に透明なクリスタルが反射する光に包まれているような雰囲気で、もともとそういうものが好きな私は雰囲気だけでも楽しませていただきました。たとえばもう少しだけ具体的なエピソードの描写(この詩を書かせた根っこのような)があったとしたら、もっとこの作品に近づける気がしました。これはもっと読み取りたいのに読み込めない、私の力不足によるわがままですが…(^^;)

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水上 耀
杜 琴乃さんへ
(2020-09-23)

杜 琴乃さま、コメントありがとうございます。 詩的な感想、ありがたく思います。 また、わたしの実力不足ゆえにご指摘いただいたような読後感を抱かせてしまい、猛省するばかりです。 もともとはもっと具体的な内容を含む作品だったのですが、どうにも生々しくてくどい感じが否めなかったので、そこから私にとって必要なものだけを純粋に分離しようと試みたのが本作でした。 しかしながら出来上がったのはご指摘にあるような掴み所のない作品で、コメントをいただいてから自分で読み返して「確かにちょっとやりすぎやな」と感じました。 自作の客観視がすごく苦手なので、今後はもう少し輪郭のはっきりした詩を書けるようにがんばってみます。 大変勉強になりました。 ありがとうございました。

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